都市のエアポケット、旅人のオアシス
TRUNK(HOTEL) YOYOGI PARK
都市のエアポケット、旅人のオアシス
TRUNK(HOTEL) YOYOGI PARK

代々木公園から井の頭通りを渡った、“奥渋”と呼ばれるエリアや富ヶ谷と隣接するロケーションにある「TRUNK(HOTEL) YOYOGI PARK」。宿泊したゲストだけが利用できるTRUNK(POOL CLUB)からの景色は、まさにアーバンオアシスです。ローカルな文脈を引き継いだオールデイダイニング「PIZZERIA e TRATTORIA L’OMBELICO」での食体験など、都会的でありながらリラックスした居心地の良さが魅力的。2024年には、日本のホテルとして初めてのAHEAD Global TOP10にも入賞しました。

都会のエアポケット

東京は世界でもユニークな国際都市。その最大の魅力は個性豊かなエリアが地続きに広がり、モザイク状にそれぞれの文化が融和している点にあります。その最たるエリアが渋谷です。駅の周辺から始まった再開発の波は徐々に拡がり、西側は東急文化村通りまで様変わりしています。一方で、ストリートの聖地である宇田川町エリアや通な飲食店が並ぶ神泉エリア、カフェカルチャーの発信地でもある富ヶ谷エリアなど、新陳代謝を繰り返しながらトレンドが少しずつ街に溶け込み、すっかり風土として馴染んでいるのです。さまざまな表情を魅せる渋谷のなかでも “奥渋”エリアはまさに東京のエアポケットのような場所。広大な神宮の杜から続く代々木公園の緑に癒やしを求めて多くの人が集まります。

唯一無二のホテルブランド

TRUNKブランドは日本発のブティックホテルとして、2017年に「TRUNK(HOTEL) CAT STREET」を立ち上げました。2019年には神楽坂で築70年余の元料亭をリノベーションした一棟貸しの「TRUNK(HOUSE)」、そして2023年に「TRUNK(HOTEL) YOYOGI PARK」をオープンしています。コンパクトなブティックスタイルを活かしてそれぞれの地域性を凝縮したコンセプトを設定しており、その魅力は国内よりもむしろ、旅慣れた海外からのゲストを中心に高く評価されているようです。成長と拡大を目指すホテルマーケットの争奪戦から一歩引いた独自のスタンスは、ツーリストだけでなく都市生活者にとっても心地良い空間を育んでいました。

Courtesy of TRUNK Photo by Tomooki Kengaku
Courtesy of TRUNK

渋谷を浮遊する快感

井の頭通り沿いにひっそりと設けられたエントランスをくぐると、しんと静謐な空気に包まれます。館内の照度がかなり低く抑えられていることもあって、まるでノイズキャンセリングしたように都市の喧噪から切り離される感覚が新鮮でした。ゲストルームはスイートルームとスタンダードルームの計25室で、スタンダードタイプはパークビューとシティビューが選べます。

最上階のペントハウスに位置する「オーナーズスイート」は、都市を俯瞰するような独特の浮遊感に包まれます。リビングルームとベッドルームが緩やかに分けられているのも使い勝手が良く、専用のバルコニーやオープンエアーのバスルームが実に開放的な気分にさせてくれます。

6階にはゲスト専用のルーフトップインフィニティプール&ラウンジ 「TRUNK(POOL CLUB)」があり、エレベータを降りると眩しい太陽と代々木公園の緑が眼に飛び込んできます。ひんやりとした洞窟から抜け出たようなコントラストが実にドラマチックで、日々のストレスや旅の疲れが一気に吹き飛びます。白ワインを片手にオイスターバーで新鮮な牡蠣を頬張り、太陽が眩しいプールで寛げば、ここが渋谷であることを忘れてしまいそうです。

コンセプトはアーバンリチャージ

TRUNK(HOTEL) YOYOGI PARKが掲げる「Urban Recharge」は、都会の刺激と極上のくつろぎの両立を目指したもの。総支配人の由井 賢治(ゆい けんじ)さんにお話をうかがいました。

「もともと旅が好きで、ホテリエとしてのキャリアをスタートしました。さまざまなホテルを経験し、アマン東京での副総支配人を経て、2021 年に株式会社TRUNKに入社しました。富ヶ谷を含む奥渋エリアはアートやカルチャーが交差するエキサイティングなムードと、公園などの緑があふれるリラックスした雰囲気の狭間のような空間です。東京とは思えないリゾートテイストでありながら、それでいて東京のどこへでもアクセスが容易な機能性を備えたホテル。こうした独自のポテンシャルを秘めた立地を探しだし、ローカルな文化や歴史を丁寧に汲み取りながらTRUNKブランドを確立していく。それがゲストに新しい視点と気付きを与え、 “アーバンリチャージ”という明日への活力を生み出すことに繋がると思っています。これはマーケティングだけでは決して生まれてこないコンセプトです。これからも丸くならず、尖ったホテルブランドを目指していきたいと思います」

Courtesy of TRUNK

TOKYOの今を感じるクリエイティブ

建築とインテリアを担当したのは芦沢 啓治さんと、デンマーク・コペンハーゲンの「ノームアーキテクツ」。コンクリートの洗い出しによってマットに仕上げられた外観が周囲に溶け込みます。インテリアはナチュラルなトーンのカラースキームで統一され、意外性のあるアクセントカラーや素材使いが実に都会的。壁面には正規の美術教育を受けていない作家によるアウトサイダーアートが飾られているのも興味深く、つい見入ってしまいます。なかにはノームアーキテクツのヨナス・ピエール=ポールセンが撮影した東京の風景写真に滋賀県の福祉施設「やまなみ工房」のアーティスト吉田 陸人さんがハンドペインティングした作品などもあり、関係者同士の親密な距離感がうかがえます。照明などには鍛金作家の三木 瑛子さんによる銅製のシェードが用いられ、経年変化も楽しめそうです。

Courtesy of TRUNK Photo by Tomooki Kengaku

ローカルの文脈を味わう

1階のイタリアンレストラン「PIZZERIA e TRATTORIA L’OMBELICO(ピッツェリア エ トラットリア ロンベリコ)」は、宿泊ゲスト以外からも人気のオールデイダイニング。以前この場所にあったペットと一緒に過ごせるカフェの文脈を引き継ぎたいという想いもあり、テラス席は引き続きペット可というのもうれしいポイントです。「おへそ」を意味する店名のとおり、地域の中心となってローカルコミュニティを支えています。ピザを焼く薪窯はイタリアから輸入した本格的なもので、張り巡らされた銅版が存在感を放っていました。メニューはナポリピッツアを中心に、イタリア各地の伝統料理や季節に合わせた料理を楽しめます。また、旬の素材だけでなく、猪などの循環型畜産の肉やエコラベル認証の魚介、規格外野菜などを積極的に採用。賑やかな雰囲気のなかで肩肘張らずに囲むテーブルに、自然と笑みがこぼれます。

Courtesy of TRUNK Photo by Tomooki Kengaku

私たちは旅に何を求めるのか

これまではグローバリゼーションに伴い、異国の地における安心や安全を確保するためには効率的な快適さが求められてきました。しかし、均質で物質的な欲求から多種多様な体験へのニーズが高まる現代において、ホテルに期待される価値が変化してきているのを感じます。それは、親密なサービスや没入するようなローカルとの距離感、等身大のサスティナビリティなど、自分なりの心地良さや選ぶ理由が明確に存在すること。客室数をあえて抑え、一つひとつの空間に地域の文化や歴史、ライフスタイルに対する哲学や美学をしっかりと表現するブティックホテルは、こうした時代のニーズを体現しています。TRUNK(HOTEL) YOYOGI PARKで感じるこの“渋谷らしさ”は旅行者にとってかけがえのない体験であると同時に、都市生活者にとっては日常の延長線上にある貴重なリフレッシュの機会でもあります。海外旅行も刺激的ですが、たまにはこんな時間の使い方も良いかもしれません。

TRUNK(HOTEL) YOYOGI PARK

〒151-0063 東京都渋谷区富ヶ谷1丁目15-2
Tel. 03-5454-3210

セゾン・アメリカン・エキスプレス®・カードが
ご利用いただけます。
https://yoyogipark.trunk-hotel.com

InstagramPTマガジンをインスタグラムで見る