岐阜・揖斐谷汲のプライベートヴィラ「TEF TANIGUMI」。蝶が羽を広げて、のびのびと舞う姿をテーマにしたこの場所には自由で穏やかな時間が流れています。後編では、シェフが腕をふるう特別なディナーや自慢のとろりとした美肌の湯など、「TEF TANIGUMI」で過ごす滞在の魅力をご紹介します。
美肌の湯を好きな時に好きなだけ
浴室はコンパクトながら、浴槽にはたっぷりと谷汲温泉を湛えます。湯船に身体を沈めると、弱アルカリ性のとろりとした湯に包み込まれます。湯上がりの肌はヴェールを纏ったようにしっとりと潤い、”美肌の湯“と称されるのも納得。夜は月明かりに照らされて、朝にはやわらかな朝陽に包まれる。時間を気にせずにいつでも湯に浸かれるのは客室温泉でしか楽しむことのできない醍醐味です。アメニティには心地よい香りとミニマルな佇まいが人気の「BYREDO（バイレード）」をセレクト。
「香りやテクスチャーが気に入り、これだと思ったところ国内ではアメニティの取り扱いがなく、スウェーデンの本社に直接連絡をしてようやく導入することができました」と森上さんは振り返ります。宿泊中には向かいにある「谷汲温泉」も利用可能です。露天風呂や大理石の大浴場、サウナもあり、こちらでは温泉地らしいダイナミックな湯浴みが楽しめます。
滞在の深度を高めるスペシャルディナー
滞在の深度をぐっと高めてくれるのが予約制のスペシャルディナー。貸別荘のように自由度の高い滞在が心地良い一方で、シェフによる食のもてなしは旅先ならではの高揚感を添えてくれます。
アミューズは揖斐特選卵「たまひめ」を使ったスクランブルエッグ。たまごの濃厚な甘みにキャビアの塩味がふわりと重なり、やさしい食感とともにコースの始まりを告げる印象的な一皿です。続いて鴨のパテ・ド・カンパーニュ、季節の魚介を使ったサラダ仕立ての前菜、そして谷汲産の栗のポタージュへと続きます。スープはこっくりとした甘みのなかに、べーコンや焦がしバターの香ばしさがそっと秋らしさを添えます。魚料理は甘鯛の鱗焼。パリッとした食感が楽しく、深みのあるヴァン・ブランソースが食欲を掻き立てます。メインの肉料理は、コシヒカリの藁を食べて育った吟醸牛のロース肉を使ったロースト。旨味を引き立たせるマデラ酒のソースと一緒にいただきます。同じ皿に添えられた谷汲産椎茸のパイも絶品で、豊かな余韻を残しながらコースを締め括りました。
自由な発想で、のびのびと
「料理人を目指したのは遅かったのですが、修行を重ねるうちに料理の世界にのめり込んでいました。一般的な料理人とは少し違う経歴ですが、そこが私の強みになっていて、自由な発想を料理に生かせていると思います。この辺りは薬草も有名なので、香草の代わりに使ってみたりしています」と穏やかな笑顔で話すのは料理長を務める今井 淳（いまい じゅん）さん。谷汲の食材をはじめ、近隣エリアから仕入れた食材を使って丁寧に仕立てるオリジナルの料理が自慢です。
「開業から3年が経ち、スペシャリテも生まれ、認知が広がってきているのを感じています。ピザも得意なので、そのうち窯を用意してこの自然の中で焼きたてを食べていただけたら」と夢はさらに広がります。
翌朝「Café TEF」を訪れると、モーニングを楽しむ人々で朝から賑わいを見せていました。モーニング文化が根付く中京エリアらしい光景です。朝食はトースト、ソーセージ、サラダ、デザートが盛られたワンプレート。素材の香りや温かさが心地よく、朝の光の中でゆったりとした時間を過ごすことができました。
里山で羽を広げて、心を休める
「朝食の後にも温泉を楽しまれたり、近隣を散歩されたり、チェックアウトまでの時間を目一杯過ごされる方が多いですね。テーマパークのようなワクワク感はないかもしれませんが、田舎ならではの風情や穏やかな時の流れに癒しを感じていただけたらうれしいです」と森上さん。最近はワーケーションプランも好評で、鳥の声や川の音をBGMに仕事と休息を心地よく行き来する、そんな贅沢な過ごし方も叶えてくれます。
春は桜、夏の根尾川にはヤナ漁で獲れた鮎をいただける季節限定の食事処「鮎やな」が登場します。そして秋は紅葉、冬は雪景色と、四季折々の日本らしい風景に囲まれながら土地の恵に舌鼓を打ち、満点の星と月明かりの下で秘湯に浸かる。揖斐・谷汲の里山で思い切り羽を広げて、穏やかに心休まるひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
TEF TANIGUMI
〒501-1303 岐阜県揖斐郡揖斐川町谷汲長瀬427-2
Tel.0585-77-5090
セゾン・アメリカン・エキスプレス®・カードが
ご利用いただけます。
https://tef-tanigumi.jp
