見ずにはいられない
STARS
現代美術のスターたち—日本から世界へ
見ずにはいられない
STARS
現代美術のスターたち—日本から世界へ

日本を代表する現代アートのトップランナー、6人の初期作品と最新作をつなぐように紹介する作品展。共通するのは、国内はもとより、世界的に高い評価を得ていること。人選といい、展示作品の選択といい、緻密な資料の積み重ねによる壮観かつ圧巻の展覧会。森美術館でなければ成し得なかったのではないかと思われる、時代の真っ只中に屹立する美術展と言えそうだ。現代とはどのような時代か、コロナ後はどうなるのか、示唆に富むメッセージを得られることだろう。

草間 彌生(くさま やよい)

1929年長野県松本市生まれ。 ニューヨークを拠点にしていた1960年頃の初期作品から、1993年の第45 回ベネチア・ビエンナーレに日本館代表として出品した《天上よりの啓示(B)》(1993年 )や《ピンクボー ト》(1992年)、鏡を用いたインスタレーション《Infinity Mirrored Room —信濃の灯》(2001年)、さらに最新の絵画シリーズ「わが永遠の魂」(2009年 - ) までが展示されている。

草間彌生《Infinity Mirrored Room―信濃の灯》(部分)2001年 所蔵:松本市美術館(長野)展示風景:「STARS展:現代美術のスターたち—日本から世界へ」森美術館(東京)2020年 撮影:高山幸三 画像提供:森美術館
草間彌生 展示風景 「STARS展:現代美術のスターたち—日本から世界へ」森美術館(東京) 2020年 撮影:高山幸三 画像提供:森美術館
草間彌生《たくさんの愛のすばらしさ》2019年 所蔵:有限会社 ティーパーティー

李禹煥(リ・ウファン)

1936年、韓国慶尚南道生まれ。「もの派 」の思想を最も良く象徴する最初期作品《関係項》(1969/2020年)、立体作品《関係項-不協和音》(2004/2020年) 、そして2 点の新作大型絵画《対話》(2019、2020年)が出展されている。いずれの作品にも、作ることと作らないこと、描くことと描かないことを作品に取り入れてきた李の姿勢が時代を超えて通底している。

李禹煥 展示風景:「STARS展:現代美術のスターたち—日本から世界へ」森美術館(東京)2020年 撮影:高山幸三 画像提供:森美術館
李禹煥《関係項》1969/2020 年 展示風景:「STARS展:現代美術のスターたち—日本から世界へ」森美術館(東京)2020年 撮影:高山幸三 画像提供:森美術館
李禹煥 展示風景:「STARS展:現代美術のスターたち—日本から世界へ」森美術館(東京)2020年 撮影:高山幸三 画像提供:森美術館

宮島 達男(みやじま たつお)

1957年、東京生まれ。出品作《「時の海—東北」プロジェクト(2020 東京)》(2020年)は、東日本大震災犠牲者の鎮魂と震災の記憶の継承を願うインスタレーションで、1988年、第43回ベネチア・ビエンナーレ「アペルト88」に出展された《Sea of Time》の発展形でもある。719個のLEDからなる本シリーズ最大級のインスタレーションとして展示されている。

宮島達男《30万年の時計》1987年 撮影:広瀬 忠司
宮島達男《「時の海—東北」プロジェクト(2020 東京)》(部分)2020年 展示風景:「STARS展:現代美術のスターたち—日本から世界へ」森美術館(東京)2020年 撮影:高山幸三 画像提供:森美術館
宮島達男《「時の海—東北」プロジェクト(2020 東京)》2020年 展示風景:「STARS展:現代美術のスターたち—日本から世界へ」森美術館(東京)2020年 撮影:高山幸三 画像提供:森美術館
宮島達男 展示風景:「STARS展:現代美術のスターたち—日本から世界へ」森美術館(東京)2020年 撮影:高山幸三 画像提供:森美術館

村上 隆(むらかみ たかし)

1962年、東京生まれ。オタク文化を象徴する代表作《Ko²ちゃん(プロジェクトKo²) 》(1997年)と《ヒロポン》(1997年) 、《マイ・ロンサム・カウボーイ》(1998年)の等身大フィギュア彫刻から、東日本大震災への応答として制作された4mを超す鬼の巨像《阿像》と《吽像》、新作ビデオ作品、さらには本展のために描かれた横約20メートルの大型絵画2点ほかを出展している。

村上 隆 展示風景:「STARS展:現代美術のスターたち—日本から世界へ」森美術館(東京)2020年 撮影:高山幸三 画像提供:森美術館
村上 隆《Ko²ちゃん(プロジェクトKo²)》1997年 展示風景:「STARS展:現代美術のスターたち—日本から世界へ」森美術館(東京)2020年 撮影:高山幸三 画像提供:森美術館
村上 隆 展示風景:「STARS展:現代美術のスターたち—日本から世界へ」森美術館(東京)2020年 撮影:高山幸三 画像提供:森美術館
村上 隆《チェリーブロッサム フジヤマ JAPAN》2020年

奈良 美智(なら よしとも)

1959年、青森県弘前市生まれ。初公開の15点を含む初期1980年代から近年までのドローイング約20点、コラボレーションなどで幅が広がった中期の代表的なインスタレーション作品《Voyage of the Moon (Resting Moon) / Voyage of the Moon》(2006年)、新作《Miss Moonlight》(2020年)を含む大型肖像絵画、そして奈良本人の多様なコレクションなどが展示されている。

奈良美智《Submarines in Girl》1992年 個人蔵
奈良美智《Miss Moonlight》2020年
奈良美智 展示風景:「STARS展:現代美術のスターたち—日本から世界へ」森美術館(東京)2020年 撮影:高山幸三 画像提供:森美術館
奈良美智《Voyage of the Moon (Resting Moon) / Voyage of the Moon》(内観)2006年 制作協力:graf 所蔵:金沢21 世紀美術館(石川)展示風景:「STARS展:現代美術のスターたち—日本から世界へ」森美術館(東京)2020年 撮影:高山幸三 画像提供:森美術館

杉本 博司(すぎもと ひろし)

1948年、東京生まれ。初期の代表的なシリーズのひとつ、「ジオラマ」の最初の作品《シロクマ》(1976年)(1977年にニューヨーク近代美術館に収蔵)、「海景」シリーズが発展した日本初公開の「レボリューション」シリーズ(1982年- )、杉本の創作活動の集大成とも言える「小田原文化財団 江之浦測候所」(2017年開館)の四季折々が細部まで納められた初映画作品《時間の庭のひとりごと》(2020年) が展示されている。

「STARS展」を見てから、京都市京セラ美術館(京都市・岡崎公園)の開館記念展として開催(2020年5月26日〜10月4日まで)されていた「杉本博司 瑠璃の浄土」展を見てきた。《光学硝子五輪塔》《OPTICS》《仏の海》《護王神社 硝子の階(きざはし)》、そして小田原文化財団 江之浦測候所を舞台にした田中 泯による《泯踊(みんよう)》のビデオ作品、庭園に設えられた《硝子の茶室 聞鳥庵(もんどりあん)》など、事の本質に迫る杉本作品の精緻なアプローチに、目が釘付けになった。

杉本博司《シロクマ》1976年 所蔵:大林コレクション
杉本博司《Revolution 008 カリブ海、ユカタン》1990年
杉本博司 展示風景:「STARS展:現代美術のスターたち—日本から世界へ」森美術館(東京)2020年 撮影:高山幸三 画像提供:森美術館
杉本博司《時間の庭のひとりごと》2020年 ハイビジョン・ビデオ 映像:鈴木 心 英語字幕:ジャイルズ・マリー 制作:小田原文化財団、森美術館 展示風景:「STARS展:現代美術のスターたち—日本から世界へ」森美術館(東京)2020年 撮影:高山幸三 画像提供:森美術館

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奈良美智 展示風景:「STARS展:現代美術のスターたち—日本から世界へ」森美術館(東京)2020年 撮影:高山幸三 画像提供:森美術館

STARS展
現代美術のスターたち—日本から世界へ

会期:2020年7月31日(金)〜2021年1月3日(日)
会場:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
問合せ:Tel. 03-5777-8600(ハローダイヤル)

森美術館ウェブサイト

www.mori.art.museum

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