レストランの予約やチケットの手配など、日々のさまざまな手続きを代行してくれるコンシェルジュサービス。滞在先のホテルやプライベートバンク、各種クレジットカードの付帯サービスなどで活用されている方も多いのではないでしょうか。セゾンカードのプレミアムメンバーに提供されているコンシェルジュサービスも、2021年9月より「セゾンプレミアムコンシェルジュ」としてパワーアップ。パートナーとなるグローバル・コンシェルジュサービスを提供する「テン・グループ・ジャパン」の日本事業開発代表を務める牧野 大祐（まきの だいすけ）さんにお話を伺いました。
コロナ禍で見えた新しいニーズ
日本でも浸透しつつあるコンシェルジュサービス。これまでは予約の難しいレストランやゴルフ場の手配などをお願いすることが多かったサービスですが、新型コロナウイルスによって新しいニーズを感じたと言います。
「だれも予想していなかった世界的なパンデミックが突然訪れ、わたしたちは突然知らない世界に放り出されました。すると、マスクはどこで手に入るのか、出張を打診されているエリアは安全なのか、だれに聞けばいいのか分からないような課題が一気に増えたのです。私たちの仕事の本質は“お客さまの困りごとを解決する”ことです。そのような事態に相談相手として思い出して頂けたのは嬉しかったですね。マスクや消毒用のアルコールなど、独自に手配した商品はカードの決済サービスと連動させることでスムーズにお客様へ届けることができました」
“手間を頼む相手”から“相談相手”へ
これまで通り、秘書のようにライフスタイルをサポートしてくれるのはもちろん、今後はさまざまな変化に応じて適切なアドバイスをくれる相談相手としても活用できそうです。
「いままでのコンシェルジュって、自分でもできるけど少し手間がかかるようなオーダーを代行するイメージが強かったと思います。でも、ライフスタイルは多様化するし、変化も激しい時代において、意外と身近に相談できる相手は少ないものです。例えばペットを飼ったり子供が生まれたり、ライフスタイルが変化したら利用するお店やホテルに対するニーズも変わります。転勤や引っ越し、パンデミックのような環境の変化によって、いままでの知識や経験では足りなくなることもあるかもしれません。わたしたちは各ジャンルにスペシャリストをご用意していますので、どんな些細なことでも相談して頂きたいですね」
どこよりも使いやすさを目指して
牧野さん自身、もともとは旅行の際に航空券やホテル、滞在先のレストランを手配してもらう程度でしかコンシェルジュサービスを活用していなかったそうです。
「テン・グループは1998年に創業した比較的若い会社です。コンシェルジュサービス専門の会社としてロンドンで誕生し、デジタルのインフラを活用することで成長してきました。電話で問い合わせた内容に対する返答をメールでもらうことは当たり前になってきましたが、私たちは問い合わせの段階からメールで受け付けることが可能です。これによって私自身の利用頻度は増えましたね。さらに、今後はセゾンカードのメンバーへ向けて国内初の有人チャットによるサービスも開始する予定です。電話をすること自体が億劫で、利用のハードルになっていたお客様にとっては、日頃のタクシー手配なんかもアプリより楽になるかもしれません。私もギフトやディナーなど、“手配しなきゃ”と思った瞬間に活用するのが便利そうだなと期待しています」
ライフスタイルにジャンルはない
特別なディナーやイベント、ユーザーの好みに合わせたバケーションなど、なにか頼まれるのを待つだけでなく、ユーザーに積極的に提案していく点もユニークです。
「テン・グループは世界22拠点にいる700名以上のライフスタイルマネージャーを一つのシステムで繋いでいます。そのデータをベースに、例えば冬のニセコに行かれたお客さまにカナダのウィスラーで滞在するバケーションを提案してみたり、または夏のニセコを楽しむ旅行を提案するなど、よりパーソナライズされた提案をしていきたいと思います。暮らしを豊かにする事にジャンルはあまり関係ないと思っています。ですから、どんどん利用して頂ければ、より精度の高い提案ができるようになります」
ビジネスのニーズにも応えていきたい
牧野さんのお話を伺っていると、「セゾンプレミアムコンシェルジュ」は今後、あらゆるサービスのハブとして活用できそうです。
「セゾンプレミアムコンシェルジュがローンチしてからまだ数ヶ月ですが、すでに予想を大きく上回る反響を頂いています。なかには企業のM&A、投資不動産に関するご相談や、自社で扱っている商品をプロモーションする提携先をお探しの方、ビジネスマッチングに関するご相談などもあり、更なるビジネスニーズを感じています。プライバシーが厳守される我々だからこそご相談頂ける内容なのだと思いますので、今後はビジネスに特化したコンシェルジュサービスも強化していきたいと考えています。さらに、ライフスタイルと融合させることで、唯一無二の新しいコンシェルジュサービスへと進化させ、日本における富裕層マーケットの拡大をしていきたいですね」
牧野 大祐（Daisuke Makino）
1970年生まれ。甲南大学時代はヨット部に所属し、スキーや旅行などのアクティビティと靴や鞄のメンテナンスが趣味。海外の信託商業銀行でのコンサルタントを経て、大手銀行、カードブランドで商品開発などを担当。2016年にテン・グループ・ジャパン株式会社に事業開発代表として参画し、更なる日本のマーケット拡大を目指す。
