肌と健康、そして本当に環境に良いものを作りたいという想いから、2023年にデビューしたスキンケアブランド「CONCIO」。化粧品に使われている成分を徹底的に研究。独自の安全基準を徹底し、肌と健康にリスクが高い2,500種類以上もの成分と、自然に還らない1,200種類以上の素材を一切使用していません。ブランド名の「CONCIO(コンシオ)」は、さまざまなことに敏感になり、意識を持とうという意味の「Conscious(コンシャス)」から生まれた造語。肌、健康、環境の3つを大切にするという思いが込められたブランドヒストリーをご紹介します。
大学卒業後、コンサルティング会社での勤務やベンチャー企業の立ち上げをサポートしてきた木本 惠子(きもと けいこ)さん。2022年に株式会社MALOU(マルー)を設立し、自社の化粧品ブランド「CONCIO」をローンチしました。意外なことに、決して化粧品に強い興味があったわけではなかったと言います。
「スキンケアを意識しはじめたのは高校生の頃です。友人や母親が家で使っていた化粧品を何となく使っていました。社会人になってからも30代になってからもずっとこのような調子だったので、まさか自分が化粧品ブランドを立ち上げることになるとは思いもしませんでした。当時一緒に仕事をしていたパートナーのこどもが突然強いアレルギー反応を出したのをきっかけに、その原因を探るために一緒に食品や日用品などの成分を一つひとつ検証していったんです。すると、化粧品に使われている成分が想像以上に肌や環境に強い影響を与えていること、そして日本は欧米に比べると化粧品に規制されている成分の基準がとても緩いことを知り、驚きました。そのとき『この事実を伝えなければ!』という使命感が生まれたのです」
さっそく化粧品成分の危険性を発信・啓発していく活動を始めてみると、多くのユーザーのリアルな現状も知ることができました。いざ本気で成分表と向き合ってみると、安全だと信頼できる成分だけを使った化粧品というのはほとんど存在しないことを知ったと言います。
「そこで、自分たちで化粧品を作るしかない、と決意したのです。例えば、環境や人体に対して影響を及ぼすことが研究で明らかになっているPFAS(有機フッ素化合物)。近年、水道水に含まれていることが国内外で話題になっていますが、日本では化粧の下地やファンデーションなどに使われていることも少なくありません。また、オーガニック製品によく使用されるオレンジ果皮油やラベンダー油は肌に優しく良いイメージがありますが、使い続けると体内に蓄積されてアレルギー反応を引き起こす可能性があります。香りやイメージから肌に“良さそう”なものと、実際に肌が喜ぶものは違うということです」
現在、「肌にも地球にも優しい」を謳う化粧品は、決して新しくはありません。SDGsへの関心が高まる中、持続可能性や環境配慮を求める動きは美容業界でも加速しています。その中でもCONCIOの存在感は際立っています。その理由は「肌や健康に良いとは言えない2,500種類以上の成分と、自然に還らない1,200種類以上の成分を一切使用しない」という徹底した姿勢と、商品に使った成分を全て表記するという透明性にあります。実現には、安全なものを作りたいという熱意と、その想いを理解してくれる工場の存在が不可欠でした。
「化粧品の成分って約1万種類ぐらいあるんです。そのうち、私たちは2,500以上の不使用リストを作って、『これらを使わないで化粧品を作りたいです』と伝えながら工場を探しました。なかには『これではとても化粧品は作れない。何もわかっていないですね』と門前払いされたこともありました。たくさん工場を回った中で、唯一、私たちの想いを理解してくださったのが京都のウィル・グランさん。私たちの不要リストを守ったうえで、納得のいく製品を作ってくださいました」
完成したのは、オールインワンミルククリームとオールインワンセラム、クレンジングオイルの3製品と、それらを手軽に試せるトライアルセット。2024年の秋からは、バームが展開予定です。ミニマムなラインアップですが、ここに理由はあるのでしょうか?
「アレルギーを引き起こさない成分でも、肌に蓄積されることで症状が現れることがあります。だからこそ、少しでも蓄積されるものを減らしたい。そのためには、一度のケアに使うアイテムをミニマムにしたほうがいいと考えました。
また、日本では年齢を重ねるごとに使うアイテムが増える傾向があり、私自身、忙しい日々の中で負担を感じていました。『クレンジングオイルでお化粧を落としたあとは、オールインワンミルクとオールインワンセラムだけ』なら、続けやすいですよね。私は医師でも美容の専門家でもありませんし、どちらかというとスキンケアなどに無頓着な方でした。だからこそ、そんな人でも安心して、手軽に必要なケアができる化粧品を作ることができたのだと思っています」
オールインワンセラムに配合した成分は全部で13種類、その成分は全て表記されています。筆者が実際に手に取ってみると、ふんわりと優しい甘い香りが広がり、ときめくというよりは癒やされる印象。肌に乗せるとスルッと浸透されていき、"肌に必要なものだけを閉じ込めた、無駄のなさ"を感じます。
「ご購入いただいたお客様からは、『スキンケアが時短になった。今まで毎晩、基礎化粧品を4つも5つも使っていたのは何だったのだろう?』という声や『美容に対する価値観が変わった』という言葉をいただき、とてもうれしいです。私たちのほうがお客様にお礼を言わなければならないのに、逆に『こんなにいいものを作ってくださりありがとうございます』と言われると気が奮い立たされ、頑張ろうと思います」
メンズ向け化粧品などが広がるなか、化粧品に慣れていない男性にもCONCIOはおすすめです。シンプルで明快なラインアップやニュートラルなパッケージデザインは、初心者にも使いやすく魅力的。ミニマムだからこそ、旅行や災害時の荷物に入れておくアイテムとしてもぴったりです。
コンシオが化粧品に先駆けてスタートしたのが、SNSで化粧品の選び方や環境問題に関する情報を発信する「CONCIO・Academy」です。ユーザーの抱える問題に合わせて、個別にアドバイスも行っています。
「化粧品成分については日々新しい研究が発表されているので、常に論文などを読んで調査しながら情報をアップデートしています。専門的な情報をわかりやすく簡潔にまとめたLINE投稿や、逆に情報を深掘りしたマニアックなブログも好評をいただいています。これからも化粧品の流行だけでなく、効果効能や成分にも興味を持っていただけるような情報を発信していきたいですね。成分による肌へのリスクや環境への影響を知り、意識することで誰もが自分に合った製品を選べるようになれば、より安心してスキンケアを楽しめるようになると感じています。化粧品の成分表を読み解くのが難しくても、まずは一度確認してみることが大切です。例えば、2つの商品で迷った場合には成分の数が少ない方を選ぶ。それだけでも、化粧品への向き合い方が変わるはずです」
「3人に1人は、自分が敏感肌だと思っているというデータがあります。私の見解では、“自称敏感肌”の方は、化粧品の選び方を変えるだけでトラブルのない肌に改善すると思います。敏感肌だからこそ、まず成分に敏感になることが大切ではないでしょうか」という木本さんの言葉が、強く印象に残りました。選択肢がたくさんあるなかで私たちは効果効能に目を奪われ、結果的に肌に必要以上の成分を与えてしまうことでかえって肌を疲れさせているのかもしれません。
特に肌にトラブルがなく、スキンケアや化粧の時間が自分を豊かにしてくれるのであれば、そのままでも問題ないでしょう。でももし少しでもスキンケアや化粧品などに負担を感じているのなら、本当に自分に必要なものは何なのか、見直してみることも大切かもしれません。広告やメディアを盲信せず、「良さそうなものと肌が喜ぶものは違う」という視点を持つ。CONCIOの提案は化粧品への見方に新しい気付きを与えてくれました。
セゾン・アメリカン・エキスプレス®・カードが
ご利用いただけます。
https://concio.jp/