また、旅に出掛けたくなる
SANU 2nd Home
また、旅に出掛けたくなる
SANU 2nd Home

2021年にスタートしたサブスクリプション型のセカンドホームサービス「SANU 2nd Home」。サービスはサブスクから所有まで順調に拡大し、2025年には30拠点への拡大を見据えています。さらに、2024年9月には地球を愛する人が集うラウンジ「SANU NOWHERE」を東京・中目黒にオープンするなど、「聞いたことはあるし、興味もあるけど、実際はどんなサービスなの?」と、気になっている方も増えてきているようです。今回は実際にキャビンタイプの客室で試泊をしながら、ユニークなサービスの全容に迫ります。

都市生活者のサプリメント

いつしか、わたしたち都市生活者は暮らしのなかで街と自然を分けて考えることが当たり前になってしまいました。便利さや効率を優先し過ぎてしまった結果、山や川、森や海は生活と関係ない特別な場所のように感じているのではないでしょうか。しかし、静かな森でゆっくり過ごしてみたいという潜在的な欲求は少しずつ膨らみ、見過ごせないストレスとして実感することも増えました。こうした現代的なライフスタイルの課題に対してサプリメントのような解決策を提示したのが「SANU(サヌ)」です。「Live with nature./自然と共に生きる。」をコンセプトに、2021年にサブスクリプションの別荘サービス「SANU 2nd Home」をリリースしました。

自然とのほどよい距離感

サービス開始から3年が経ち、2024年の時点では全国28拠点、161室に宿泊することができます。2025年には30拠点を予定しており、今後もさらに拡大していく計画です。北から南まで次々と新しい拠点が拡張され、会員は基本的にどこの施設でも宿泊を予約することが可能。ロケーションは白樺湖や河口湖といったレイクサイド、館山や一宮などのシーサイド、軽井沢の山や森など多彩なラインアップ。月額5.5万円からという手頃な価格も手伝い、サービス開始から常に会員枠は埋まっている状態が続いています。キャンプほどストイックではなく、ホテルよりはプライベート感があり、別荘のような管理の手間や無駄もない。ほどよい自然との距離感は都会暮らしの30〜40代を中心に、ファミリー層からシングルまで幅広い会員層をカバーしています。

ソフトとハードを同時に進化させる

試泊のために予約をお願いすると、予約確認のメールが届きました。顔写真も含めてアカウントを作成すると備品リストやハウスルールを含めた旅のしおりがメールで届き、滞在を楽しむためのヒントがいろいろと紹介されていました。チェックインから有料商品の清算まで、すべてのプロセスはオンラインで完結するため非常に効率的です。「私たちはソフトウェアとハードウェアの二刀流で、“住産業”の未来を作りたいのです」と話してくれたのは、広報を担当する柴田 菜々子(しばた ななこ)さん。

「予約や清算だけでなく、アカウントの管理やCo-Ownersのオーナーズアプリまで、基本的なプロセスはすべてアプリケーションで完結するように開発しています。私たちはロケーションや建築などのハード面とアプリやコミュニティのソフト面の両方を同時に開発することでユーザーの負担を軽減し、使いやすいサービスになると考えています。また、インフラから開発していくことでお客様のフィードバックも反映させやすく、サービスをクイックにアップデートさせていくことが可能です。これからもハードとソフトの両面を常にアップデートしていきながら、宿泊事業や住産業の可能性を広げていけたらうれしいですね」

自分が自然の一部であることを実感

さっそく、「SANU 2nd Home 北軽井沢 1st」の「SANU CABIN BEE」に滞在しました。敷地には6棟の建物が並び、森の中のコミュニティのような雰囲気です。そのうち1棟はDOG FRIENDLYとして、愛犬と一緒に過ごすことができます。各キャビンにつき2台分の駐車スペースがあり、敷地から奥深い森にも直接アクセスできます。広さや設備はどのキャビンも共通で、約50㎡の室内には2台のセミダブルベッドにソファとデスクスペース、トイレとユニットバスの水回りが効率よく設けられています。キッチンにはBALMUDAの電子レンジやトースターが並び、カトラリーや調味料などは必要にして十分。逆に、パジャマや歯ブラシなどは置いていないので、自分のお気に入りを持参する必要があります。どのロケーションでも同じ装備なので、使い慣れてくるとまさに自然の中にあるもうひとつの自宅のような感覚で過ごすことができそうです。天井高が4mもある開放的な空間には正面の窓から緑が広がり、ゆったりとしたテラスと相まって数字以上の広さを感じます。荷物を置いてゆっくりとコーヒーを淹れると、優しい香りと静寂が室内に広がります。初めて訪れたのに、しっとりと自然に溶け込む感覚は実に心地良いものでした。

成長と再生がシームレス

蜂をモチーフにした「BEE」というキャビンは「SANU 2nd Home」が最初に手掛けた建築モデル。花から花粉や蜜を提供してもらうかわりに受粉を手伝う蜜蜂のように、SANUの拠点が増えるごとに森や自然が豊かになるビジネスモデルを象徴しています。例えばキャビンの建造には東北地方の釜石から樹齢50年を超えた国産の間伐杉を活用、基礎にはコンクリートを使わず高床式にすることで大地へのダメージを最小限に抑えています。さらに、どのロケーションにおいても地形や風の流れを活かして、できるだけ生態系を壊さない開発を心掛け、釘や接着剤も使用しないことで解体時にはすべてパーツごとにバラせるように設計されているのです。成長のために開発するのではなく、自分たちの事業や暮らしの母体となる自然を再生させ、回復させながら拡大していく。「北風として環境問題に警笛を鳴らすのでなく、太陽として自然の美しさや楽しさを伝える存在として“自然と生きる”原体験をつくること。その想いをスタッフと会員が共有できていることがSANUの好きなところです」と、柴田さんは話してくれました。

最新モデルの現場工期はわずか2週間

その最新の建築モデルが「SANU CABIN MOSS」シリーズ。滞在先から車で5分ほどの「SANU 2nd Home 北軽井沢 2nd」で見学してきました。敷地内には14棟のMOSSが並び、そのうちサウナ付きが5棟、DOG FRIENDLYが2棟、両方楽しめるWITH SAUNA & DOGが1棟という内訳。ユニット工法による木造の宇宙船のような不思議な外観ですが、なんと現場での工期はわずか2週間という驚異的な効率の良さです。さらに、建築の80%をデジタルファブリケーション化することで、建設業従事者の人手不足と建設単価の上昇という課題に応えています。内部はユニットのベースとなる中心部分にベッドスペースとダイニングキッチンエリアが配置され、周囲に水回りやワークスペース、収納などのユニットが取り囲むようなレイアウト。リビングスペースからバルコニーが繋がり、天窓から陽光と風が取り込まれて自然との一体感が感じられます。別棟でサウナが付くキャビンには水風呂も完備され、森に開けたテラスで外気浴を楽しめば極上の“整い”が体験できそうです。

地域と繋がる楽しさ

キッチンで料理を作るのも楽しそうでしたが、せっかくなのでオンラインで届いていた「滞在のしおり」を参考に、近所のレストランへ。「ハコニワ食堂」は地元の食材をふんだんに使ったパスタや肉料理が絶品。トマトパスタは2種類のトマトをさまざまな調理法でアレンジした深い酸味が食欲をそそります。上州牛のステーキは肉感のある赤身にタマネギのグリルやマスカットが絶妙にマッチ。肉に負けない野菜の滋味に風土を感じます。「一人で切り盛りしているので店内が満席になることも多く、事前に予約していただくのがお勧めです」と、シェフの竹内 一喜(たけうち かずき)さん。

「こどもの頃に母が入院したことがあり、その時に初めて料理を作りました。それを家族にすごく喜んでもらえたのがすごく嬉しくて。自分にとっては料理人を目指す原体験になりました。その後、農業系の高校に行くことになり、その合格祝いで行ったレストランで衝撃を受けて、卒業後はフレンチのレストランなどでバイトをしながら料理人修行をしました。たまたま両親が北軽井沢の古民家を手に入れたのをきっかけにこの地域に縁ができて、2014年からハコニワ食堂を始めました。自宅に友人を招いて料理を振る舞うのが好きなので、このお店もランチとディナーにあまり差を付けず、いつ来てもおいしいものを食べてほしいと思っています。SANUをはじめ、近くにキャンプ場などもできたので、東京からのお客様もよくいらっしゃいます。食材や味付けも家庭料理にちょっと驚きを加えたようなバランスを目指していて、日常の延長線上にある豊かさのエッセンスを提供したいという想いはSANUのコンセプトにも近いかもしれません。ホッとする安心感をベースにレストランの特別感を感じていただければうれしいです」

最も都会に近いSANUの拠点が誕生

そして2024年9月、都会に最も近いSANUの拠点として「SANU NOWHERE」が誕生しました。場所は中目黒の駒沢通り沿いですが、地球上の“どこでもない、どこか”という意味が店名に込められています。ファサードから店内まで、至る所に置かれた天然の巨石は全国から集められてきたもの。「地球の質量を感じる」というデザインコンセプトを表現しています。建物の上階には人形町から本社機能も移し、1階にはレストラン「SANBARCO(サンバルコ)」とスペシャルティコーヒー「ONIBUS COFFEE(オニバスコーヒー)」が入り、昼と夜で違う雰囲気を楽しめます。半地下のスペースでは自然を題材とした映画の上映や音楽イベントが定期的に開催され、週末には「BOOKS+コトバノイエ」の加藤 博久(かとう ひろひさ)さんによるライブラリーも解放されるとあって、近隣を中心に多くの人で賑わいます。

SANUは旅がしたくなる装置

サービスのリリースから急成長を続けるSANU。最近では、車を買った友人がドライブの行き先としてSANU 2nd Homeのサービスを検討するなど、周囲でも話題に出てくるようになりました。実際に滞在してみると、自然の中で過ごす心地良さだけでなく、環境に対する創意工夫が随所にあふれていました。それは、黒川紀章などが提唱した建築運動「メタボリズム」にも通ずる社会変化に対する姿勢に似ていて、私たちの暮らしが潜在的に希求する自然や旅に対する想いを実感しました。「良いものは次世代に残す」という押しつけではなく、いま必要とされている自然との関係をソリューションとして提供していく。その独特の心地良さが、日常に戻っても旅の余韻を残し、またどこかに出掛けたくなるのです。今後はふるさと納税や宿泊を体験できる機会も増やしていくそうなので、ぜひ “現代らしい自然との距離感”を楽しんでみてください。それは思いのほか心地良い体験になるかもしれません。

SANU 2nd Home Co-Owners

https://owners.sa-nu.com/

SANU 2nd Home

セゾン・アメリカン・エキスプレス®・カードが
ご利用いただけます。
https://2ndhome.sa-nu.com/

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