暮らしに溶け込む、新しいはちみつのかたち
Tamitu
暮らしに溶け込む、新しいはちみつのかたち
Tamitu

伝統的な甘味料として親しまれてきたはちみつ。昨今は健康や美容にも良いと注目される一方で、日本人一人あたりの年間消費量はわずか300gと、少し遠い存在でもあります。はちみつライフスタイルブランド「Tamitu」は、そんなはちみつをもっと身近に楽しんでもらうために生まれたブランド。今を生きる私たちの日常に溶け込む、新しいはちみつのかたちとは。

はちみつとの接点を作りたい

表参道GYRE内にある「Tamitu Laboratory & Café」は、はちみつの可能性を広げる新しいスタイルのカフェ&ショップ。CIBONEやHAYといった人気セレクトショップがそろうフロアの一角に佇むモダンな空間では、オリジナルのはちみつを使ったドリンクやスイーツが楽しめます。手がけるのは、はちみつライフスタイルブランドのTamitu(タミツ)。「暮らしに花を、わたしに蜜を」をコンセプトに掲げ、はちみつのある暮らしを提案するブランドです。
「日常のなかにはちみつとの接点を持ってもらいたいという想いで、2021年にブランドを立ちあげました。食品フロアではなく、あえてライフスタイルフロアに実店舗を構えたのも、暮らしの文脈ではちみつを体験していただきたかったからです。見慣れたリビングに季節の花を一輪飾るだけでその空間が豊かになるように、私たちの身体もひと匙の甘味を入れることで内側から彩りを纏うことができる。はちみつにはそんな力があると思っています」と語るのは、水谷養蜂園 常務取締役・Tamituブランドディレクターの水谷 優里(みずたに ゆうり)さんです。

お料理の「“は“しすせそ」をめざす

大正元年創業の養蜂園を営む一家に生まれた水谷さん。3歳の頃から始めたクラシックバレエに魅了され、高校生でロシアの名門「ボリショイバレエアカデミー」に留学、卒業後は海外でプロダンサーとして活躍しました。日本に戻り、友人や知人とライフスタイルや食生活について話すなかで、養蜂一家で育った水谷さんにとってのはちみつと、世間一般のはちみつとの距離感に大きな差があることに気づいたと言います。
「水谷家には砂糖がなく、料理にはすべてはちみつを使います。甘味料としての砂糖を初めて目にしたのは小学生の頃でした。その頃からはちみつが日常的でないという世間とのギャップを感じていましたが、海外から帰国して改めて衝撃を受けました。養蜂一家で育った自分だからこそできることがあるのではないか──そう感じたのが、家業に参画するきっかけでした。バレエ一筋で生きてきたので、まさか自分がはちみつに関わることになるとは、実は夢にも思っていませんでした」と当時を振り返り、目標のひとつは料理の基本である“さしすせそ”を“はしすせそ”に置き換えることだと目を輝かせます。

はちみつ従来の使いづらさを解消

「ところで、日本人一人あたりが一年間に消費するはちみつの量がどのくらいかご存じですか」と水谷さん。答えは約300g。農林水産省によると砂糖の年間消費量は約16kgなので、いかにはちみつの消費量が少ないかわかります。
「最近はマヌカハニーの影響もあり、はちみつが身体に良いという認識がかなり広まってきました。それでもなぜこれほど使われていないのか。ヒアリングしていくと『使いづらい』『味の違いがわからない』『どう使えばいいかわからない』と言った理由が浮かび上がってきました」と続けます。
こうした課題を受け誕生したのが、Tamituを代表するアイテム「Herbal Honey」です。ハーブとスパイスをオリジナルで配合し、抽出した特製エッセンスと純粋はちみつをブレンドしたもので、冷たいものにも溶けやすいのが特徴です。そのまま味わうのはもちろん、好みのドリンクに加えたり、オイルや調味料と合わせてドレッシングやソースにしたりと、従来のはちみつが抱えていた使いづらさを解消しました。

テーマは「健やかに、そして美しく」

ラインアップは定番の6種類に加え、季節をイメージしたシーズナルアイテムの全7種類。美しさを引き出す「ビューティー」、免疫を高める「プロテクト」、癒やしをもたらす「ヒーリング」、活力を与えてくれる「エンパワー」の4つのテーマにカテゴライズされています。
「ヨーロッパでは薬草療法に基づいたハーブ薬局が日常生活に溶け込んでいました。症状や体調に合わせてハーブやスパイスを調合してくれる、身近で何でも相談できる存在です。ここから“調合する“という着想を得て、純粋はちみつが兼ね備えているパワーをもとに、なりたい自分へ導く4つのテーマを設定しました」と水谷さん。それぞれのテーマに合わせて純粋はちみつを厳選し、肝となる特製エッセンスの調合も専門家のアドバイスを受けながら水谷さん自身が担当しました。
「すべてのフレーバーは使う人やシーンをイメージして設計しています。例えばプロテクトの『Herbal Honey 618』は復活の木として知られるマヌカから採れたマヌカハニーをベースに、エルダーフラワーを主体としたエッセンスをブレンドしています。体調に不安があるときにお守りのように口にしてもらうイメージで、そのまま舐めたときに効いていると感じる、“心に作用する味わい”を意識しています」

はじまりのローズと共に

「Herbal Honey 000」は、ブランドの原点とも言える特別な存在です。バラの女王と称されるダマスクローズから採れた純粋はちみつに、美の象徴として知られるローズダマスクを中心とした各種ハーブ・スパイスを調合しています。
「私の祖母にあたる、水谷養蜂園三代目の太美(たみ)は、女性でありながら当時のはちみつ界に数々の改革をもたらした人でした。はちみつを花の種類別に分けて瓶詰めにし、テーブルハニーとして販売するなど、今では当たり前の商品を日本で初めて実現しました。さらに、彼女が考案した食用バラを漬け込んだはちみつは、当時の女性たちに愛され、水谷の名をブランドとして広めるきっかけになりました」と水谷さん。この出来事を「はじまりのローズ」と呼び、敬意を込めてTamituで最初のフレーバーはローズと決めたそうです。ブランド名のTamituも祖母・太美の名に由来しています。

新しいはちみつ体験を求めて

「水谷養蜂園は100年を超える歴史があります。はちみつそのものの力ももちろんですが、これほど続けてこられたのは、先代たちが人と人とのつながりを大切にしてきたからだと思っています。SNSなど便利なツールでの発信も大事にしつつ、やはりこれからも直接お客様にお会いしたい。今後は実店舗を少ずつ増やし、今を生きる私たちにとってはちみつがどうあるべきかを考え、ご提案していけたらと思っています」

店頭でHerbal Honeyを加えたドリンクを注文すると、はちみつがグラスへ注がれる瞬間を目の前で見られるデモンストレーションも楽しみのひとつ。はちみつがすっと溶けていく様子に思わず感嘆の声が漏れました。この日いただいたのは夏のシーズナルフレーバー「Mint」。イタリアで採れたレモンのはちみつに由来するさっぱりとした甘さに爽やかなミントの香りがすっと抜けていき、夏の疲れを癒やしてくれました。9月からは、秋の訪れを知らせる金木犀のフレーバーが登場しました。店頭ではすべてのHerbal Honeyを購入することもできます。料理やいつものドリンクにひと匙プラスするのはもちろん、日々のメンテナンスや体調が気になるときのお守りとしても頼もしい存在。新しいはちみつ体験を求めて、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

Tamitu Laboratory & Café

〒150-0001東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE B1F
営業時間:11:00~20:00
定休日:不定休 ※定休日はCIBONEに準ずる

セゾン・アメリカン・エキスプレス®・カードが
ご利用いただけます。
https://tamitu.jp

InstagramPTマガジンをインスタグラムで見る