オーダーメイドシューズのエキスパート
SHOEMAKER
Yutaka MORIGUCHI
気軽に相談できる銀座の靴工房
オーダーメイドシューズのエキスパート
SHOEMAKER
Yutaka MORIGUCHI
気軽に相談できる銀座の靴工房

東京・銀座2丁目の「銀座ガス灯通り」に面して小さなビルがある。その2階に注文服「SARTO(サルト)」の工房があり、靴職人・森口 豊さんの靴工房が同居している。SARTO経由の靴の注文や修理なども請け負うが、独立した靴職人でもある。

「革の魅力」に取り憑かれる

森口 豊さんは1985年10月生まれの35歳。ファッションに関心があったので文化服装学院でアパレルデザインを学び、スタイリストのアシスタントなど、さまざまな仕事をへてヨーロッパへ。バックパッカーとしてさまざまな都市を巡るうちに「革の魅力」に取り憑かれる。趣味で鞄をつくっていたこともあり、バッグの道に進もうかとも考えたが、流行やマーケティングに左右されずに「ものづくり」の道を極めたいと思い、オーダーメイドシューズの道へ。弟子入りしたのがビスポーク靴職人・柳町 弘行(ヒロ柳町)氏だった。

Bespokeを大切に

ここで5年間、みっちり靴づくりの基礎を叩き込まれる。まずはお客様とのカウンセリング。「なぜオーダーメイドで靴をつくりたいのか」「どのような趣味嗜好、ライフスタイルをお持ちなのか」などについて詳しく話を聞く。この、話を聞く、お客様と会話を重ねることこそが「Be Spoken(話す ビスポークの語源)」なのである。靴職人はこの時の会話でお客様のことを知り、お客様は自分のつくりたい靴について存分に希望を伝え、同時に、靴職人の人柄や信頼性、技量のほどを見極める。ここにたっぷり時間をかけることで、お互いの相性を知り、一生のお付き合いになることもある。私は、ここにこそオーダーメイドの本質、真髄が隠されているように思う。それは靴や洋服、シャツだけでなく、住宅や家具、車を注文するときでも同じことだろう。ちなみに、Bespokeはもっぱら英国での表現で、米国では普通にCustom-Madeである。同じ「注文する」にしても、かなりニュアンスが異なると思う。

根気のいる仕事

森口さんももちろん、カウンセリングにたっぷり時間をかける。そこで得た情報を元に、足の採寸をし、特徴をつかむ。お客さんは好みのデザインを選び、気に入った革の種類を選び、つくってほしい靴のイメージを固めてから、ようやく木型の制作に入る。細かな修正を重ねながら手で少しずつ削り出す作業は、見ていても地道で根気のいる仕事だということがわかる。左右でサイズが違うこともあれば、外反母趾などのトラブルを抱えていることもある。2018年に銀座に工房を構えてから、これまでに200足以上の木型を作ってきたというが、そこに費やした膨大な時間を思うと気が遠くなる。

「ピッタリ合う」快感!

木型が完成したら、この木型に合わせて革の裁断をし、ラバーか革か、選ばれたソールを削り出して靴の仮縫に入る。もちろん、手縫いである。ここで何度かテスト履きを重ねながら、修正を加えてようやく仕上げに入る。仕上がってからも、親指の付け根のちょっとした骨の隆起や、小指の下のかすかな「当たり」などを、特殊な工具で修正する技術は見事というほかない。ここまでで約4カ月〜1年。フルオーダーの工程を見せてもらうと、どこにも「コスト削減」の要素が見当たらず、むしろ上質な革を選べたり、小さな細工を施してもらったりと、どうしても高価になりがち。しかし、オーダーメイドシューズの気持ちよさは、自分の足に過不足なく「ピッタリ合う」ことだろう。人の体は千差万別、誰一人としてこの世に自分と同じ体型の人はいないし、同じ足を持つ人もいない。時間と財布に余裕があれば、できれば靴はオーダーメイドでつくってみたい。

オーダーメイドは無駄ではない

フルオーダーの場合、革の素材にもよるが、木型の製作費を含めて25万円から。2回目は木型の製作費はいらなくなるので、ずっと安くなる。ソールを張り替えれば、上質な靴は何10年も持つので、長い目で見れば経済的でもある。それに、急ぐ場合は、木型の制作を省略してもらう「マスターピース」という方法もある。3つのパターンからスタイルを選んでもらい、あとは採寸から仮縫い、仕上げの調整まで全てフルオーダーと同じ手順で進められる。この方法だと18万円からオーダーできる。考え方にもよるが、自分の足に合う靴を求めて靴にお金をかけるのは、健康を守るためでもある。ソールが片減りした靴を履き続けていると、脊髄や骨盤の歪みの元になり、健康を損なうこともある。

足のサイズ33の特注品

靴職人・森口 豊さんにとって、お客さんに「素晴らしい履き心地だ」と言ってもらえるのが何よりの喜びだそうだ。そして、何年かして「減ったソールを貼り替えるときの喜びはさらに大きい」という。人は年齢によって体型が変わることがあり、体調や環境によっても微妙に足の形が変化することもある。「そこを調整しながら、お客さんに自分の靴の手入れをしてもらい、長く履いてもらえれば職人冥利につきる」とも。銀座という場所柄、口コミで訪れる外国人のお客さんも多いという。身長2m20cm、足のサイズ33cmという日本在住の外国人が訪れたときは一瞬、たじろいだが、今は2足目を製作中。「これまで作ったことのない大きさの靴でしたので、気に入っていただいてホッとしています」と森口さん。工芸品を仕上げるような丁寧な手さばきで革を自在にいなす手つきは、仕事に喜びを感じていることが指先からこちらにまで伝わってくるようだ。

魂のこもった靴は捨てられない

筆者はニューヨークで暮らしていた頃、イタリア人の靴屋さんでベージュのショートブーツを見つけて衝動買いしたことがある。これでふかふかの絨毯の上を歩くと、まるで雲の上を歩いているようで、自然にピエール・カルダンの歩き方を真似ていた。このブーツは40年たった今でも捨てられずに、大切に手入れしながら眺めている。オーストリアのインスブルックで作った登山靴も忘れられない。親しくしている家族の長男で、オーストリアだけでなくドイツのマイスター(巨匠)の称号も持つ最高の靴職人。プロスキーヤーや登山家のオーダーメイドシューズを作るのが専門で、素人の靴を手がけるヒマなどなかったはずだが、セミオーダーで手早く仕上げてくれた。トレッキングといわずキャンプといわず、足を守ってくれる安心感があるので、夏でも冬でも、アウトドアにはどこにでも履いていく。多くの既製品の靴を使い捨ててきたが、魂がこもった靴はなかなか捨てられない。それは丁寧に作られ、大切に履かれ、ほとんど体の一部になっているからだろう。

ご優待

対象期間中、シューズをオーダーしていただいた方、先着30名様に森口 豊特製のシューホーン(靴べら)をプレゼントいたします。
※なくなり次第終了とさせていただきますので、ご了承ください。

[対象条件]
PTマガジンを見たとお伝えのうえ、対象カードでお支払いください。

[対象カード]
セゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス®︎・カード
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®︎・カード
MileagePlusセゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス®︎・カード
freeeセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®︎・カード
全弁協セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®・カード
CPAセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®・カード
へきしんセゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス®・カード
へきしんセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®・カード

[対象期間]
2021年9月30日(木)まで

SHOEMAKER 森口 豊

〒104-0061 東京都中央区銀座2丁目6-15 第1吉田ビル 2F
Tel. 080-5560-8311

https://sarto.jp/service/meister/shoemaker/

InstagramPTマガジンをインスタグラムで見る