人気アウトドアブランドの
「最新」を訪ねる
ARC’TERYX
アークテリクス
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ARC’TERYX
アークテリクス

1989年にカナダのノースバンクーバーで誕生して以来、日本でも幅広いファンに支持されるアウトドアブランド「ARC’TERYX(アークテリクス)」。この春、二子玉川ライズ S.C.に国内10店舗目となるブランドショップがオープンしました。ブランドの最新が詰まった店舗を訪ねると、進化を続けるARC’TERYXの「これまで」と「これから」を感じられる空間がありました。

二子玉川ライズに新店舗オープン

本格的なハードユーザーからファッションに取り入れて楽しむライトユーザーまで、あらゆる層をファンに持つアウトドアブランド「ARC’TERYX」。最新の店舗は売場面積が約100坪と、首都圏で最大級の広さを誇ります。ブランド最新のレイアウトコンセプトが反映された店内は、大きな窓から燦々と自然光が差し込む解放感のある空間です。本格的なアウトドアギアに加えて、軽やかな色合いでタウンユースでも活躍しそうなアイテムもずらりとラインアップ。この店舗では女性へ向けたコレクションが多く並んでいるのも印象的です。

体験型イベントも開催予定

ふらりと立ち寄れるロケーションも魅力です。「ここ数年、本国でも女性への発信を強めていて、すでに顧客の6割が男性、4割が女性という比率になってきています。この世界感やフィジカルなコミュニケーションイベントを通じて、ブランドの魅力を女性の皆さまにもお伝えできたらと思っています」と話すのは、ARC’TERYXブランドヘッドの高木 賢(たかぎ けん)さん。ここでは今後、ブランドの代名詞とも言えるゴアテックス素材の正しい洗濯方法を学ぶ「ゴアウォッシュイベント」なども開催される予定です。外で遊ぶのが気持ちいいこれからの季節、フィールド遊びの帰りに覗いてみるのも良さそうです。

フィールドで遊びながら成長してきた

都会的で洗練された雰囲気を纏うARC’TERYXですが、その機能性は骨太で、ひとたびフィールドに飛び出せばストイックな本領を発揮します。「創業当初はクライミングハーネスを中心としたエキップメントメーカーでした。当時のデザイナーのほぼ全員がクライマーで、自分たちが納得できるハーネスがないから作ってしまおうというところからスタートしています。ハーネスが出来たら今度はバックパック、次はアパレル……というように、フィールドで遊びながら徐々に事業を拡大していきました」と高木さん。自分たちが使いたいものを作るという精神は、”DESIGN FROM SCRATCH”という言葉として受け継がれ、今やアウトドア業界の定番となった止水ファスナーに代表されるような革新的なパーツやアイテムを次々と生み出してきました。

「効率的ではない」ものづくり

基本的に全てのプロダクトは、フィールドでのニーズを起点にゼロからものづくりが始まります。しかも、作るのはフィールドで命を預かるもの。機能性、デザイン、パフォーマンスの3つのサークルが成立しなければ製品として世に出ることはありません。製品化までは、試行錯誤と耐久テストが幾度となく繰り返されます。本社から一番近い山までは自転車で30分ほど。サンプルが出来たらすぐにそれを着て山へ出掛け、ポケットの位置や角度、必要な仕様を直接ウェアに書き込んで戻ってくるのも日常的な光景です。自身も元ファッションデザイナーだった高木さん曰く、ARC’TERYXのものづくりは「決して効率的とは言えない」地道で繊細なもの。裏地の素材や縫い目、さらには簡単そうに見えるカッティングなど、細部にこそみっちりとこだわりが潜んでいると言います。

循環型経済への移行をめざす

また、色へのこだわりも並々ならないものがあります。カラーデザイナーと呼ばれる色の専任者が15名も在籍しており、これは「メゾンブランド並のクリエイティブ体制」というから驚きます。晴れや雨、霧など自然の中でこそ美しく見えるカラースキームで設計されているため、出店の際には自然光が入るかどうかをとても大切にしています。今回新たに設計された店舗も自然光が射し込み、美しい発色が目を引きました。そのこだわりはものづくりの持続可能性にも向けられています。2022年の春夏アイテムからは各色のカラーサンプルの製造を廃止し、製品サンプルはグレーのみに統一しました。これは廃棄をゼロにすることが難しいアパレル業界において、少しでも環境への負荷を減らすための試みの一つ。作って捨てるという一方通行の経済から、リペア、リユース、アップサイクルといったさまざまなアングルから循環型経済へ移行していくプロジェクトを始めています。

長く使い続けてもらうために

こうした試みを包括しているのが、「REBIRD™」です。この取り組みでは"Design to last"(長く使い続けてもらうデザイン)を骨子に、丈夫で修理しやすい素材の開発や、製品のリペアにも力を入れていきます。「私たちの作ったものが最後に自然に還ることはありません。自分たちの遊ぶフィールドを守るために、できるだけ長く使ってもらうための方法を試行錯誤しています」と、高木さん。2021年11月には、ニューヨークのブロードウェイにある店舗に対面でメンテナンスを受け付ける「REBIRD™ SERVICE CENTER」を導入しました。「一見修理できそうでも実はもう素材が機能を担保できない状態になっているケースもあります。メーカーの責任の一環として、自己判断では難しいジャッジもきちんとお伝えしていく場所にしていきたいですね」。日本では2022年秋頃の導入を目指しています。

失敗を恐れず進化せよ

「創業当初から大切にしている精神(マインド)に”Evolution in action”という言葉があります。これは失敗を恐れずに前に進めという意味。ゼロベースからものづくりをしているので、失敗も数え切れないほどありますが、それを恐れずに進化を続けるのがARC’TERYXの文化として根付いています」。2022年は国内にもう3店舗の出店を予定しており、将来的にはユーズドプロダクトのリサイクルにも積極的に取り組んでいくといいます。これまでのものづくりや自然を楽しむ姿勢はそのままに、これからはいっそう環境や未来に配慮したブランドへと成長していくARC’TERYX。シンボルマークの始祖鳥は、遊びと自然との調和をめざして進化していきそうです。

ARC’TERYX

アークテリクス 二子玉川ライズ S.C.店
〒158-0094 東京都世田谷区玉川1-14-1 二子玉川ライズ S.C. テラスモール1階
営業時間:10:00〜20:00
Tel.03-6805-6862

セゾン・アメリカン・エキスプレス®・カードがご利用いただけます。
https://arcteryx.jp

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