進化を続ける青山のランドマーク
THE AOYAMA GRAND HOTEL
進化を続ける青山のランドマーク
THE AOYAMA GRAND HOTEL

2020年、旧青山ベルコモンズ跡地に誕生した「THE AOYAMA GRAND HOTEL」。ファッションやカルチャーの発信地らしい刺激的なロケーションながら、エレベーターを一歩降りればまるで青山に住まうような居心地の良い空間が広がります。2024年4月にはメインダイニングの「Rossi」がカジュアルに楽しめるトラットリアとしてリニューアルオープン。ますます魅力の深まるTHE AOYAMA GRAND HOTELをご紹介します。

旧青山ベルコモンズの跡地に

ファッションビルのはしりとして知られた「青山ベルコモンズ」が閉館したのは、2014年のこと。青山通りと外苑西通りが交わる青山三丁目交差点にそびえたユニークで洗練された建築は、黒川紀章事務所によるもの。青山のランドマークとして多くの世代に親しまれました。その跡地に新たに誕生したのが「THE AOYAMA GRAND HOTEL」。地上20階の複合ビル「the ARGYLE aoyama」の、3・4階、16〜20階の7つのフロアにホテル、ダイニング、ルーフトップバー、イベント会場を備えます。手がけるのは地域の特性を生かしたホテル運営で定評がある株式会社Plan・Do・Seeで、同社の東京初のホテルとしても注目を集めました。

歴史の線上に紡ぐ、新しい物語

フロントのある4階のエレベーターの扉が開くと、チェックインの手続きをするゲストの向こうに、湯気の上がるお皿が次々と運ばれていく様子が広がります。いかにもコスモポリタンな、活気に満ちた光景に心を奪われます。同フロアにある「THE BELCOMO(ザ ベルコモ)」は、朝食からバータイムまで利用できるオールデイダイニング。開放的なテラス席やU字のバーカウンター、賑やかなオープンキッチンが広がり、イタリアンを中心とした多国籍料理をカジュアルに楽しめます。

旧青山ベルコモンズへの敬意を込めて「THE BELCOMO」と名付けられました。「このプロジェクトが決まった時から、旧青山ベルコモンズが積み重ねてきた歴史と私たちがこれから紡いでいく物語が一つの線上にあることを常に意識してきました」と話すのは、ゼネラルマネージャーを務める掛井 智也(かけい ともや)さん。

「多くの人の記憶に残るこの場所にホテルを作らせていただいたことは、弊社にとっても大きな意味を持っています。東京を代表するホテルをめざしつつも旧青山ベルコモンズの文脈を受け継ぎ、気軽にご利用いただける場所でもありたいと考えています」

ヴィンテージマンションに暮らすように

16階〜19階の4フロアに42室、竹林の庭をぐるりと囲うようにレイアウトされた客室は、スタンダード、スーペリア、デラックス、スイートの4タイプ。いずれも東京をダイナミックに感じられるシティビューが贅沢です。スタンダードタイプは竹林の庭を望むガーデンビューからも選ぶことができ、こちらはしっとりと落ち着いた空間。

「青山に住まう」をテーマにした、プライベートな雰囲気が魅力で、ミッドセンチュリーモダンを基調とした各室の設えや共用部のディティールは、1980年代に東京に登場し、現代では憧れとなっているヴィンテージマンションを彷彿とさせます。廊下の壁には、1980〜90年代を代表する青山ゆかりのアーティストや写真家のポスターが飾られ、まるで青山発のアートやカルチャーを辿るギャラリーを歩いているような気持ちになります。

圧倒的な居心地の良さを求めて

THE AOYAMA GRAND HOTELが追求するのは「圧倒的な居心地の良さ」。「限られたスペースですから、ファシリティの豊富さやサイズ感といった数字で表せるものでは正直ほかのホテルに敵いません。しかし『居心地の良さ』であれば、どこまでもとことんこだわることができます」と掛井さん。インテリアやファブリックはもちろん、ベッド周りは京都のイワタのベッドフレームとマットレスを採用、ヘアドライヤーにはリュミエリーナの「レプロナイザー4D Plus」、オルタナとコラボしたオリジナルバスアメニティなど、コストパフォーマンスや効率を度外視したようなこだわりようです。

さらに、電車やタクシー移動のハードルが高い海外のゲストが気軽に利用できるようにと、ホテル専用の電動自転車が完備されていたり、台湾、ベネズエラ、バングラディシュ、ベトナムといった国際色豊かなスタッフが多いのも印象的。「旅先で母国語が話せるとホッとしますよね。スタッフも母国語でのゲストとのコミュニケーションを楽しんでいて、そういった一つひとつの瞬間も居心地の良さにつながってくると考えています」

肩肘張らない、最上階のトラットリア

こうした”圧倒的な居心地の良さ”を食事で体験できるのが、2024年4月にリニューアルオープンしたトラットリア「Rossi(ロッシ)」。リニューアルを機にオープンキッチンになったことで、音や香りといった活気やライブ感が加わり、最上階にありながらカジュアルに楽しめるおいしくて楽しい空間へと生まれ変わりました。

「以前はコースが中心でしたが、リニューアルのタイミングでアラカルトへと変更しました。シンプルだけれど日常では味わえない、旬の素材を生かした料理をリーズナブルにお楽しみいただければと思います」と話すのは料理長の毛利 周太(もうり しゅうた)さん。20歳からPlan・Do・Seeの経営するレストランで経験を積み、このホテルの開業とともに料理長に就任しました。「夕方から日没までの時間が個人的に一番好きな時間帯。東京の夕景を眺めながら、おつまみと合わせて1、2杯といった気軽なご利用も大歓迎です」

全国の憧れの生産者を訪ねて

前菜のおすすめは「竹島さんの水牛モッツァレラと季節のフルーツ」。フレッシュでミルキーなモッツアレラチーズと宮崎県産マンゴーの濃厚な甘みが爽やかに混ざり合い、楽しい食事の始まりにふさわしい食欲をそそる一皿。「竹島さん」とは、木更津市のKURKKU FIELDSで水牛飼養とチーズを製造している竹島 秀俊(たけしま ひでとし)さんのことで、「日本中にはたくさんスター生産者がいるのですが、竹島さんは私の憧れの生産者のひとりです。彼のモッツアレラチーズを自分の料理に使わせていただくのは長年の夢でした」と毛利さん。

自らの足で食材を見つけてくるというのはPlan・Do・Seeの慣わしで「月に一度、生産者さんの元を直接訪ねさせていただく機会を会社がサポートしてくれるのは、ありがたいことです。おかげで日本全国の生産者さんから本当にすばらしい食材をご提供いただいています」と話しながら、北海道産のアスパラ、長野のアメーラトマト、千葉の蛤、佐賀の自然薯、と全国から集められた素材を丁寧に説明していただきました。

素材の良さを伝えることに徹する

スペシャリテは、その日に獲れた新鮮なオーマル海老をその場で捌く「活けオマール海老のサラダ」。海老みそとレモンを和えたソースに絡めて、丸ごと一匹分を盛り付けます。オマール海老の食感が楽しく、ボリュームも満点、見た目にも華やかなサラダです。最後にいただいたオイルパスタは、旨味がたっぷり詰まったジューシーなキノコと、カラスミのコクが後を引く味わい。シンプルながら満足感があり、締めにぴったりな一品です。

「旬な、最高の食材を使っていますので、私たちの仕事はできるだけシンプルに、その良さを伝えることに徹しています」と毛利さん。当日の食材を見ながらスタッフと相談してオリジナルのコースを組み立てることもできるそうで、カジュアルからビジネスまで、さまざまなシーンで重宝されそうです。

居心地の良さは、完成しない

Rossiと同フロアにあるルーフトップバー「The Top.(ザ・トップ)」も、クリエイティブディレクターの小橋 賢児(こはし けんじ)さん監修のもと、2023年夏にリニューアル。「Exotic & Spice」をテーマに、異国感の溢れる刺激的なテラスに生まれ変わりました。ライフスタイリストの大田 由香梨(おおた ゆかり)さんデザインのビビットカラーの制服も異国情緒を華やかに彩り、非日常感に浸ることができる空間に仕上がっています。これからの季節、Rossiでの食事を楽しんだあとに訪れてみるのも良いかもしれません。

「居心地の良さには正解がありません。だからこそ追求する価値があると思いますし、完成することもありません。むしろ完成してはいけないのだと思います」と掛井さん。

取材後に改めてプライベートで「THE BELCOMO」を訪れると、心地良いサービスと空間、その日の気温や夕景も相まって、短いながらも至福のひとときを過ごすことができました。開業から4年を迎えたTHE AOYAMA GRAND HOTEL。トレンドがめまぐるしく入れ替わる青山という場所にあって、変わらない刺激と、進化を続ける居心地の良さのバランスが実に心地良く感じます。エアポケットのような都会の止まり木に、ときおり羽を休めに行きたくなりそうです。

THE AOYAMA GRAND HOTEL

〒107-0061 東京都港区北青山2-14-4

セゾン・アメリカン・エキスプレス®・カードが
ご利用いただけます。
https://aoyamagrand.com

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