最適な暮らしに出合う
THE SHOP
最適な暮らしに出合う
THE SHOP

「これこそは」と思える定番の逸品だけを集めた「THE」は、まるでスタンダードの見本帳のようなブランドです。同社が運営する「THE SHOP」は、ものを選ぶプロセスで迷子になった人々を惹きつける終着駅のような輝きを放っています。多くの人が納得できる普遍性とつくり手や環境にも負荷の少ないものづくりを追い求め、新しい暮らしの在り方を提案するアプローチがユニークです。

普及品だって長く使ってほしい

2012年に設立したTHE株式会社。代表の米津 雄介(よねつ ゆうすけ)さんは、美術大学でデザインを学び、デザインの潮流がユニバーサルからエコやロハスを通り、サステナブルに移り変わる様子を目の当たりにしました。卒業後は大手事務用品メーカーのプラス株式会社に就職し、マーケティングや商品企画を担当します。代表的なプロジェクトとしては、2005年に施行された「個人情報の保護に関する法律」に伴い急速にニーズが高まった個人情報保護スタンプ「ケシポン」や、力を入れなくても切れるハサミ「フィットカットカーブ」シリーズがあります。「文房具や普及品が消耗品であることは理解しつつも、長く使ってほしいという想いがありました」と、米津さんは当時を振り返ります。

未来の定番品を生み出す

そのような想いを抱えていた米津さんは、同じように「未来に向けて長く使える定番品を作ろう」と考えていたgood design companyの水野 学さん、PRODUCT DESIGN CENTERの鈴木 啓太さんと出合います。同時に、多くの人に認知してもらう店舗づくりを目指して中川政七商店の代表である中川 政七さんが加わり、「THE」は始まります。価値観の多様性が求められるいま、“定番”というのは究極の難問ともいえそうです。さらに「永く使う」「捨てない」といったサステナビリティと、「作る」「売る」というビジネス面でのバランスにも向き合う必要があります。そのプロセスのなかで“最高”ではなく“最適”を見出し、常にアップデートし続けていく。「THE」はものづくりと消費という時代を取り巻く課題への挑戦でもありました。

最高ではなく、最適を

現在、ラインアップの50%は世の中にある既存の商品のなかから「これこそは」と思えるプロダクトをセレクトしています。そして、残りの50%は「これこそは」と思える商品を開発する。これらのさまざまな商品をそろえるうえで、明確な基準が設けられています。それが「THE 5箇条」。「形状」「歴史」「素材」「機能」「環境」の5つの項目において、それぞれの“最適”をブランドとしてどのように捉えるか、明確に記されています。すべての項目をクリアするテストのような意味合いはありませんが、より長く、より快適に使えることへの指標としてそれぞれの商品に表記されており、そのグラフが素材や色と同じ「SPEC」として同列に扱われている点がユニークです。これは自社製品の開発でも既存商品のセレクトでも不変のルールです。

知恵の系譜を一歩進める

そして、最適を知るためのアプローチとして画期的な取り組みが「THE MONSTER SPEC®️」というブランド。この取り組みについて、「あくまで“最適”を知るために、実験的に最上を定義してみた」と、米津さんは言います。

「ものづくりを通してさまざまな生産現場を巡るなか、時にとんでもない技術や素材に出合うことがあります。現時点での究極というか、技術というものが人類の知恵の系譜だとしたら、その最先端といえるものです。しかし、オーバースペックな機能は社会実装したりプロダクトにするにはハードルが高いことが多い。そうした技術が知識として溜まっていくと、定番品になり得る基準値を知るためにも、一度最上の技術や素材で極端なものを作る実験的な取り組みは有意義なのではないかと考えるようになりました。実社会では不必要なスペックを『モンスタースペック』と定義し、とことんまで突き詰める。そうすると自分たちの考える“最適”に確信が持てると同時に、新たな課題や気づきも出てくるのです。実際に作ってみることで、知恵の系譜を一歩前に進めることができると思っています」

多くの人に知ってほしい

こうした未来の定番品となりうるアイテムを実際に手に取ることができるのが、「THE SHOP」。現在は渋谷スクランブルスクエアと丸の内のKITTEの2店舗で展開しています。どちらも回遊性の高い商業施設で、エスカレーターなどからもよく見える立地が選ばれています。路面店を持たず、ターミナル駅の人通りが多い場所に出店する理由について尋ねると、「多くの人に見てもらうことが目的のひとつ」と明快です。現代は有史以来最も選択肢の多い時代。“美容迷子”や“ファッション難民”といった人々にとって、「THE SHOP」のラインアップは終着地点に辿り着いたような安心感を感じさせるかもしれません。

“普通”のレベルを上げる

THEのヒット商品のひとつに「THE 醤油差し」があります。「液だれしないこと」を絶対的な機能として、表面張力と液体の粘性を利用した注ぎ口を一から設計しています。“たかが醤油差しに大げさな!”という方は、ぜひ一度試せばその使い勝手の良さと所作の美しさに驚くはずです。巷に溢れる道具を新たに生み出すことへの責任として、普遍的に持つ醤油差しの課題を見事に解決したプロダクトといえるでしょう。「累計で7〜8万本売れていまして、みなさん液だれは嫌だったのだなと(笑)。社会の役に立てたという実感を得ることができた商品です」と、米津さんも自信をのぞかせます。他にも、ショート、トール、グランデというお馴染みのサイズ感でグラスを再定義した「THE GLASS」や、浅型/深型が選べる「THE CAP(2025年3月発売)」など、暮らしの至る所にある“普通”をアップデートしています。

ものを永く使える社会へ

使いやすく、長持ちする「未来の定番品」たち。暮らしにちょうど良いこれらのアイテムは、大量生産大量廃棄の資本主義にどう立ち向かうのでしょうか。

「お陰様でコロナ以降の業績は好調です。実は、その要因のひとつに他店舗への卸とコントラクトビジネスの成長があります。例えば『THE GLASS』はNOT A HOTELさんに採用されていて、使ったゲストが買いに来るという流れも生まれてきています。今後は銀行で借りるボールペンやレストランで使うカトラリーなど、一時的に所有、使用することで自分の暮らしに合いそうな“最適”に出合う機会をもっと増やしていきたいと思っています。さらに、消耗品のリフィルビジネスや耐久消費財のリペア、アパレルの買い取りなどの二次流通にも取り組んでいます。また、大人用の洋服をこども用にリサイズするなど、ものを永く使っていただける仕組み作りにもチャレンジしています。いくつも売らなくても、ひとつのアイテムがお互いに何度も価値をもたらしてくれる関係もあるはずです。我々は適正価値を守るためにセールはやらないのですが、いつまでも最適なものに出合えて、安心して使い続けられる社会を目指していきたいと思っています」

使い倒したくなる暮らし

米津さんはサーフィンやスキー、キャンプなどアウトドアな趣味も多く、商品をフィールドテストする機会にもなっているといいます。気に入ったアイテムは使い倒すそうで「どんなものでもボロボロになって寿命を終えるなら満足なはず」と、ものに対する愛情と死生観のようなメッセージが印象的でした。世の中に溢れるゴミの多くは、好みの変化によって飽きられたり、気分転換などの理由で捨てられることがほとんど。モノとしての寿命を全うできるならどれほど幸せなことでしょうか。そうなると、飽きのこない定番品を使い倒す暮らしというのは、実に清々しい気がします。今後はどのようなアイテムを「これこそは」と自信を持ってラインアップに加えてくるのか、またお店に行くのが楽しみです。

THE

セゾン・アメリカン・エキスプレス®・カードが
ご利用いただけます。
https://the-web.co.jp

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〒150-6101 東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア ショップ&レストラン 8F
Tel. 03-6452-6221
営業時間:10:00〜21:00

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〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-7-2 JPタワー KITTE 4F
Tel. 03-3217-2008
営業時間:11:00〜20:00

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