こどもの好奇心を刺激する
Wobble(ウォーベル)
オープンエンドなバランスボード
こどもの好奇心を刺激する
Wobble(ウォーベル)
オープンエンドなバランスボード

健康、美容、スポーツのパフォーマンス向上など、多方面で重要視される「インナーマッスル」。運動能力の基礎づくりや姿勢の安定といった効果が期待され、こどもの成長においても注目が集まります。オランダ生まれのWobble(ウォーベル)はシュタイナー教育に影響を受けた、シンプルで美しいデザインのバランスボード。サステナブルな自然素材で作られたインテリアを邪魔しない佇まいと、誰でも使える普遍性を兼ね備えています。

始まりは手作りのバランスボード

Wobbel社の創業者であるハンナロール・ブレアさんは、娘にシュタイナー教育を実践していました。あるとき我が子のために木製のバランスボードをプレゼントしたいと考えましたが、なかなか良い製品が見つからなかったためクラスメイトの父親に相談します。その男性はスケートボードのデッキを作る職人だったこともあり、ブレアさんの期待に応えて1台の木製のバランスボードを手作りしてあげました。さっそく娘にプレゼントすると、娘だけでなくその友人も夢中になって遊びました。男の子はクルクルと回転して遊んだり、女の子たちはお人形遊びの舞台にしたり。はたまた、ある日はボードに寝そべって昼寝をしている娘の姿を見ることもあったそうです。シンプルながらもこどもの感性を刺激する遊具のニーズを感じた二人は、2015年にWobbel社を立ちあげました。

シュタイナー教育のエッセンス

Wobbelが影響を受けたシュタイナー教育とは、オーストリアの哲学者・教育者であるルドルフ・シュタイナーによって確立された教育哲学で、こどもの個性を尊重しながら自由な成長や活動を大切にするというもの。実践的な理論が確立されており、身体を使って音楽や言葉を表現する「動きの芸術」といわれる「オイリュトミー」や、造形感覚を身につける「フォルメン線描」などが有名です。また、遊具においても、こどもが成長したいという気持ちを刺激するシンプルで自然の素材を使った道具を使います。Wobbelは、この手と心と頭を発達させるというエッセンスを抽出したもので、肌触りなどの感触や色、重さなど、五感を刺激する遊具。WOBBEL JAPANの村井 真実(むらい まみ)さんは、「例えるなら木登りのような遊びに近い感覚を与えるバランスボードです」と、プロダクトの特徴について教えてくれました。

内なる欲求を刺激する玩具

全部で3種類のサイズが用意されたWobbelは、いずれもシンプルなカーブと飽きのこないデザインが印象的です。使い方や遊び方が明確でないため大人は少し戸惑うかも知れませんが、子供はむしろ我々が思いも付かないような発想で自由に遊び始めます。村井さんはその特徴を「すでにうちにある欲求を刺激する玩具」と表現します。

「シュタイナー教育の学校では、五感を刺激する木のおもちゃで遊びます。積み木などもサイズや形がバラバラで、正しい使い方はありません。こうした玩具を推奨する理由は、こどもの頭の中はすでに多くのアイデアが満ちていると考えているからです。そして、それらを引き出すにはデジタルな反応やカラフルなおもちゃの刺激は強すぎるのです。Wobbelは、はじめは遊び方に戸惑うかもしれませんが、無意識のうちにこどもの創造性を刺激し、バランスを取りながら遊ぶことで、自然に体が発達することをサポートします。ただ揺れているだけのようでいて、頭も体もたくさん反応しているのです。そして、時には衝立のように使って一人で静かに創造や安らぎの世界に浸ることもできるのです」

無限にひろがる遊び方

実際に2歳の娘に渡してみると、最初は両足で恐る恐る揺れ始めていたのが、すぐにダイナミックに揺れる感覚を掴んでいました。今回、すべてのサイズを試してみたところ、実に多様な使い方をするので驚きます。限定版サバンナ柄のWobbel Original専用の特製マットレス「Wobbel Deck Original(ウォーベル・デック・オリジナル)」を付けた「Wobbel Original(長さ約90×幅30×高さ21 cm)」では、寝転ぶだけでなくゆらゆらと揺れながら動物の柄を指さして遊びます。また、大人もゆったり横たえられるサイズの「Wobbel XL(約120×40×25 cm)」ではひっくり返して潜り込み、何やらごっこ遊びをしながら気持ちよさそうに微睡んでいました。驚いたのは、安定感のあるフォルムにデザインされた「Wobbel Starter(約70×27.5×13 cm)」を踏み台に使ったこと。テーブルの上のお菓子を取るのにちょうど良いことに気付いたのか、一番安定感の良いモデルを直感的に選んだようです。使用にあたっては周囲に誰もいないか確認することや、不用意に足をぶつけると痛いことなど、いくつか注意することもあります。慣れると飛び乗ったり、ときには滑って転んだりなど多少ヒヤヒヤするときもありますが、そのぶん慎重にもなり、自分で考えていろいろな遊びを発明しているようです。

計算されたデザインと仕上げ

Wobbel Originalのアーチの長さとカーブの角度は、こどもたちが体を使って遊ぶのに合わせて解剖学的モデルを用いて緻密に設計されています。アーチの長さは真ん中に座るとこどもたちの両手が端に届く角度と長さに設計されていて、カーブの角度は足を置く位置によって難易度が変わります。遊びながらチャレンジレベルを変えられるように設計されており、年齢や体格、運動レベルに合わせて自然と動きがサポートされるのです。また、床に置いて寝っ転がると、大人でも心地よい刺激にリラックスしてしまいます。200kgの耐荷重は耐久性だけでなく安定感があり、やさしい丸みとなめらかな肌触りには親しみを感じました。シンプルなデザインは出しっぱなしでもリビングにも馴染み、生活の中にあるからこそ、ユニークな遊びが偶然生まれることもあります。

地球にも人にも優しい生産体制

今では教育先進国といわれる北欧をはじめとするヨーロッパ各地、アメリカ、カナダ、オーストラリア、シンガポールなど世界40ヵ国以上の教育機関や一般の家庭で愛用されているWobbel。しかし、今でも最初の1台が作られたのと同じ町で、手間ひまかけて丁寧にハンドメイドで製造されています。製造現場では、さまざまな理由から通常の労働環境で活躍することが困難な人々と積極的に協業するとともに、規模が拡大しても環境への負荷を増やさないように素材や製法も厳選しているとのこと。例えば素材となるヨーロピアンビーチウッド(ブナ材)は再植林が保証されている厳密に管理された植林地から調達され、圧着プレスによってボンドの使用を極限まで抑えています。フェルト付きのモデルに使用されている羊毛も天然染料で染められ、ペイントにもウォーターベースのラッカーを使用するなど、世界中で定められた多くの安全基準をクリアしています。

健やかな暮らしへの招待状

こどもの成長を考えるとき、できる限り良い機会を与えたいと思うのが親心。しかし、私自身も捕らえどころのない“正しさ”に捕らわれすぎて、家族に窮屈な思いをさせてしまうことがあります。オランダにいる村井さんとのオンラインインタビューで「どんな教育メソッドでも共感できるところもあれば、できないところもある。良いとこ取りで良いのでは」という言葉におもわず頷いてしまいました。情報や選択肢が増えるなか、何が良くて、何が良くないかを断じることなどできるわけもなく、自分がストレスを抱えすぎないことが家族と健やかに暮らす秘訣だと気付かされます。ゴールが決められていないゲームや対話を“オープンエンド”といいますが、教育や生活はまさに正解なんてあってないようなもの。大人は一枚の板を前に「どうやって遊ぶのか?」と考えてしまいますが、こどもたちはただ好奇心に従い、新しい遊びを発明していくのです。新しい円盤のようなデザインのラインアップも増えるなど、ますます広がりを見せるWobbel。日本でもどのような教育機関に採用されていくのか、今後の展開が楽しみです。

Wobble

セゾン・アメリカン・エキスプレス®・カードが
ご利用いただけます。
https://wobbeljapan.com

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