人と地球の健やかな調和を願う
LOVEG
人と地球の健やかな調和を願う
LOVEG

「LOVEG(ラベジ)」は、100%植物由来のソイミートやソース、スパイスを通じて身体づくりをサポートするヴィーガンフードブランド。創業者であり、広告や空間演出などを手掛ける株式会社スリーピングトーキョーの代表を務める松田 康平(まつだ こうへい)さんに、ブランドに込める想いをうかがいました。

植物性フードの可能性を追求

東京・外苑前でヴィーガンのレストランを運営していた松田さん。食に対するアプローチの一環として、100%植物由来のソイミートやソース、スパイスなどのヴィーガンフードを展開するブランド「LOVEG」を立ちあげました。

「レストランは2020年に休業しましたが、開店から約10年という時間のなかで自分たちが信じる形で精一杯取り組み、やり切ったという感覚が得られました。建物の老朽化による取り壊しの理由で休業を決めたときに店を移転して継続するという選択肢はありませんでした。むしろレストランという枠を取り払って、ヴィーガンフードのブランドとして植物性の食事の可能性を追求したり、生産者と消費者をつなげる新しい挑戦をしたいという想いが生まれ、LOVEGを立ちあげました」

LOVEGは、LOVEとGLOBEを掛け合わせた造語。プロダクトの特徴は、原料が全て植物性であること。なかでも植物が次の生命を育むための力を秘めた、種子や穀物をメインの原料にしています。化学調味料・合成保存料・着色料を一切使わず、調味料も昔ながらの製法を用いるなど、シンプルで透明性のある製品にこだわりました。「手間暇がかかっても、食べる人だけではなく地球や生産者などの環境を含めた全体の調和がとれるプロダクトづくりを心がけています」と、松田さんは話します。

きっかけはマドンナのパーソナルシェフ

松田さんがヴィーガンフードに目覚めたきっかけは、世界的歌手のマドンナだというのも興味深いエピソードです。

「外苑前の物件でレストランを始めることになったことで、改めて食について勉強を始めました。そのときに、マドンナのパーソナル・シェフを務めていた西邨(にしむら)マユミさんの存在を知りました。世界のスーパースターが食べている食事はどんなものだろう? とすごく興味が湧いてきて、パートナーと共に西邨さんに“ラブレター”を送ったのです。幸いにも、食について直接教えていただける機会を得ました」

西邨さんが実践していた料理法は、マクロビオティックというもの。「玄米を主食に、旬のものを調理したおかずや味噌汁を添える玄米菜食」で、古来の和食に通ずる食の考え方です。

食への新たな視点を得て

「マクロビオティックに出合うまで、僕のなかで食事といえば『安くておいしいものをお腹いっぱいに楽しむ』というものでした。しかしマクロビオティックを学ぶにつれ、身体や地球に負担をかけない食事のあり方を知り、食に対して新たな視点を持つことができました」と当時を振り返ります。さらに食の魅力について次のように続けます。「のどかな田舎や潮風の香る海辺など、口にするその食材がどのような環境の中で育って、どんな人がどんな考えを持って調理したのか。食事を口にするまでの情報をリアルに感じたり想像できる時に、心からおいしい、幸せだなと感じます」

松田さんはマクロビオティックを入り口に、ヴィーガンにも興味をもつようになります。なお、ヴィーガンとは、「肉や魚、乳製品、卵などの動物性食品を食べないのに加えて、ベーコンやかつお節のような動物由来のものも避ける人やライフスタイル」のこと。「健康になりたい」という願いでヴィーガンになる人もいれば、「動物を殺生したくない」「畜産による環境破壊を防ぎたい」という想いで始める人もいます。

調味料からヴィーガンを始める

LOVEGのプロダクトはオンラインストアや自然食品を扱うお店で購入することができます。ビギナーにおすすめなのは、スパイスシリーズ。「ヴィーガンフードにハードルを感じる方も、調味料を入口にすれば気軽に始められると思います。スパイスは日本の四季から着想しました。冬をイメージしたWinter Pepperは、一見普通の塩と胡椒なのですが、山椒やクローブを隠し味としてミックス。塩コショウの代わりにお使いいただいても、普段のお料理に変化を加えることができます」。4 種が揃った贅沢なギフトセットも人気で、「贈り物にすることで、プラントベースやオーガニックを知らなかった方に新たに関心を持ってもらえるとうれしいですね」と松田さん。原料には、海外認証を含めたオーガニックの素材を採用しています。

3タイプ揃うソイミートも人気

低脂肪で高タンパク質なソイミートも好評。LOVEGで取り扱っているのは、ブロック、ミンチ、フィレの3タイプ。

「それぞれ形状と食感が異なります。ブロックタイプは唐揚げにして食べるとおいしいですよ。ミンチタイプはカレーや麻婆豆腐に入れたりと、手軽に使いやすいサイズ感。フィレタイプは焼き上げてお肉の代わりに使うとボリュームもあって満足感が高いです。我が家ではパスタのようにキャニスターに入れてキッチンに常備しています。どれも常温で1年保存できるので非常食としても役立ちます」

2024年の秋からは、千葉県に新たに構えた自社工場でソイミートを製造することも決定しています。

「原料となる有機大豆を栽培する生産者さんに会い、土地を探して工場を建て、生産体制が整いました。有機 JAS 認証を取得して、商品開発を進めていきます。一から学び直すことが多くとても時間がかかりましたが、この学びのプロセスこそが新しいことを始める醍醐味なのだと知りました」

パフォーマンスが上がる食事

食生活は、私たちの健康に密接に関わっています。「健康的になりたい」という理由から、食生活を見直す人はたくさんいます。松田さんはヴィーガンフードによる影響をどのように感じているのでしょうか?

「僕自身の体感としては体が軽くなった感じがします。体重ももちろんですが、体調も良いし、軽やかな感じで日々を過ごせるようになりました。植物をベースにした食事は肉や脂に比べて消化器官への負担が少ないと言われているので、生活や仕事のパフォーマンスを上げるためにヴィーガンフードを選んでいる方も多いです。色々な世代やステージの方にLOVEGを知っていただきたいですが、特に僕と同じ40代以上のバリバリ仕事をされている方にはぜひ一度試してほしいですね。今日の食事が明日の自分のパフォーマンスを変え、長い目でみれば自分自身の人生にも大きな影響を与えると思います」

調和が取れた未来に向けて

ヴィーガンフードは「心に対しても良い影響があると思う」と松田さん。食生活を見直してみることについて、次のように続けます。

「食の生産現場が見えにくくなってしまった現代生活では気づきにくいことですが、地球環境と私たちは密接に繋がっています。環境への負荷が少ないものを選ぶことで、心の状態も自然とポジティブになるのではないでしょうか。気候変動などの大きな課題を前にすると、自分一人が食事を工夫したくらいでは何も変わらないという無力感を覚えます。しかし、これからは人と自然とのつながりや関係の深さが問われていく時代になるはずです。それらを見つめ直す行為自体が、調和が取れた未来へ向かう指針になると考えています」

LOVEGがユニークなのは、環境意識の高い人々だけでなく、おいしいものを食べたい、ヘルシーなライフスタイルを送りたい、という現代のさまざまな欲求にも応えているところにあります。食を通じて私たちの健康と地球環境の調和を目指し、新しい未来を描く取り組みには、食文化の新しいスタンダードになり得るポテンシャルを感じました。

LOVEG

セゾン・アメリカン・エキスプレス®・カードが
ご利用いただけます。
https://loveg.jp/

InstagramPTマガジンをインスタグラムで見る