ブドウ共和国を目指す
Grape Republic
Made of 100% Grapes
ブドウ共和国を目指す
Grape Republic
Made of 100% Grapes

ゴッホの描く『ひまわり』は、本物の向日葵よりも“らしさ”を感じさせます。「Grape Republic(グレープ リパブリック)」のワインも、ブドウの果実よりブドウらしさを感じさせる一杯。料理とのペアリングはもちろん、品種や醸造の個性をはっきりと印象付ける力強い味と芳醇な香りは、ワインだけでも楽しめます。ナチュラルワインがトレンドからカルチャーへと移行していく流れのなか、今後の活躍に期待がもてるワイナリーです。

山形のテロワール

土地の気候や風が生み出す土壌。そして風土が生み出す人々の暮らしと文化。これらのブドウを取り巻く自然環境(テロワール)により、同じ品種でも驚くほど味に違いが生まれます。山形県で育てたぶどうを使い、天然酵母のみを使用してワインを作っているのが「Grape Republic(グレープ リパブリック)」。山形県南陽市は、代表の平 高行(たいら たかゆき)さんの母方の実家がある場所。飲食店グループの経営者でもある平さんは、2011年の東日本大震災の際に炊き出しの中継地としてこの場所を活用していました。そのとき、果樹の栽培に適した土地でありながら、高齢化などで畑が激減している現実を知ります。耕作放棄地を活用してこの場所を盛り上げたいという想いから、ワイナリーづくりがはじまりました。

目指すはブドウ共和国

「Grape Republic」とは直訳すると「ブドウ共和国」。広報を担当する亀井 秀介(かめい しゅうすけ)さんによると「この周辺一帯をブドウで生き返らせたい。一大ワイン産地への願いを込めたブランド名なんです」と説明してくれました。

「ナチュラルワインって、大量生産を前提としたコンベンショナルなワインに対するカウンターカルチャー的な側面があるんです。地元出身の僕にとって、衰退してしまいそうなこの土地で美味しいワインを生み出すことは、とても意義のあることです。質の高いブドウを使い、デザインや味も洗練されていて、カルチャーともシンクロするグローバルスタンダードなワインブランドをつくる。そしてゆくゆくはアグリツーリズムや収穫祭なども展開して、街全体を“GRAPE REPUBLIC(ブドウ共和国)”にしたいと思っています」

ニュージーランドで修行した醸造家

このワイナリーの醸造責任者である矢野 陽之(やの はるゆき)さんは、兵庫県出身。料理の修業でイタリアに滞在し、ナチュラルワインに出会います。その後、オーストラリアのシドニーでナチュラルワイン専門のバーで働いたときに衝撃を受けたのが「ドン&キンデリ」のワイン。これまでのワイン業界に一石を投じたワイナリーです。

「美味しいワインだなと思って調べていたら、たまたまスタッフを募集していたのですぐに連絡をしました。ワインメーカーのアレックス・クレイグヘッドも料理人からスタートしたこともあり、親しみやすくいろいろと勉強させてもらいました。オープンマインドな人で、“そろそろ日本に帰ろうと思う”と伝えたら、“山形でワインをつくらないか?”と紹介されたのがここだったんです。2019年からはわたしが醸造責任者としてワインをつくっています。毎年アレックスにもできあがったワインを送ってアドバイスをもらっていますが、“年々良くなっている”と言ってもらえるのが励みになりますね」

Made of 100% Grapesの味

自社農園で栽培しているブドウは有機栽培を実践し、醸造するときも添加物は使用せず天然酵母のみという徹底ぶり。ブドウ畑なのに草が生えているのが新鮮でした。

「この場所は江戸時代からブドウを作っていたんです。夏でも一日の寒暖差が激しく、乾燥している。さらに、独特の風が吹いていてブドウが病気になりにくい。そんな自然環境をブドウにまるごと閉じ込めて、そのまま発酵させてあげるのが僕たちの作りたいワインです。数時間おきに様子を見て、ちょっと香りが変わったら空気を入れて呼吸をさせてあげる。しっかり手をかけることで、力強くフレッシュなワインに仕上がります。ブドウの美味しさを100%凝縮したワインだからこそ感じる、土地の個性や品種の違いを楽しんでもらえたら嬉しいですね」

醸造は伝統的な「アンフォラ」

醸造所をみせてもらうと、大きなステンレス製のタンクが所狭しと並んでいます。「これらのタンクも一部醸造で使いますが、ほとんどはブレンド用です」と、矢野さんは奥へと案内してくれました。ひんやりと薄暗い蔵のような場所には「アンフォラ」と呼ばれる瓶(かめ)が地中に埋めてあります。これはワイン発祥の地であるジョージア地方の伝統的な製法で、自然発酵に適していることから近年世界中で注目されています。収穫したブドウを足で踏んで、あとはアンフォラに入れて発酵するのを待つ。あっけないほどシンプルな製法だからこそ、醸造家の腕が試されます。

例えばその特徴を一番感じた一本が「ロザート 2020」。スチューベンをベースにデラウェア、ナイアガラ、ロザリオビアンコの4種類をブレンドしていますが、ブドウの特性に合わせて別々のアンフォラで発酵させたものをステンレスタンクで熟成。その味は驚くほどフレッシュで、ほどよい酸味と複雑な果実味が印象的なロゼワインに仕上がっています。まさにブドウの個性と醸造家の腕が閉じ込められた一本です。

明るく楽しいパーティーワイン

「閉じたワインはつくりたくない」という矢野さんの言葉通り、Grape Republicのワインはどれも開けた瞬間にフルーティな香りが広がります。例えばデラウェア100%のオレンジワイン「ヌメロ ウノ2020」は、ブドウの皮と一緒に発酵させる「スキンファーメント」を経た後に圧搾し、熟成させたもの。無肥料、無堆肥の土地で育ち、天然酵母だけで発酵されたワインです。無濾過で酸化防止剤も添付されていないため、ピュアなデラウェアの個性を楽しむことができます。香りはキンモクセイやスパイスのような奥行きがあり、柔らかなタンニンからは皮の風味も感じられます。アルコール感とミネラル感もしっかりとしているので、スパイシーな肉料理とも合いそうです。「パーティーのテーブルで、仲間と気軽に空けてワイワイ楽しんで欲しい」と、亀井さん。フレッシュな香りと軽やかな酔い心地は、楽しいひとときに花を添える一杯です。

日本に吹くナチュラルワインの新しい風

ブドウ畑に訪れてみると、ワインづくりは農業そのものだと実感します。手間がかかっても余計なものを加えないからこそ、その土地の気候や風土がストレートに伝わり、個性豊かな味わいを楽しませてくれます。エチケット(ラベル)には、カモシカやツル、オシドリがグラフィカルに描かれています。デザイナーの「ryo ono」さんが手掛けたもので、山形県のシンボルがモチーフとなっています。その土地の文化までを含めたテロワールへの想いを強く感じさせます。「まずは買いブドウも含めてすべてのブドウを完全有機栽培にすること。そして、もう少しブドウの樹齢が長くなったら、重めのシリアスなワインもつくりたい」という矢野さん。今後の展開も楽しみに、まずは晴れた夏の昼下がりにテラスで冷えたロゼでもいかがでしょうか。

Grape Republic

〒999-2205 山形県南陽市新田3945-94
Tel.0238-40-4130

公式サイトから商品をお買い求めいただけます。

セゾン・アメリカン・エキスプレス®・カードが
ご利用いただけます。
https://grape-republic.com

InstagramPTマガジンをインスタグラムで見る