古家具の逸品と出合う
pejite
古家具の逸品と出合う
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唯一無二の手仕事と長い年月を経た風合いが魅力の日本の古家具。懐かしさや温かみを醸しながら、モダンな空間との相性も良く、ここ数年改めて注目を集めているジャンルです。「pejite」は、こだわりの審美眼によってセレクトされた古家具が人気のコンセプトショップ。店主の仁平 透さんを訪ねて、益子市にあるお店にうかがいました。

美術館のような余白

焼き物の里として知られる栃木県の益子町。陶器市で賑わう旧商店街の一本裏手にひっそりと佇む「pejite(ペジテ)」は、古道具と暮らしにまつわるアイテムがそろうコンセプトショップです。外壁には夏蔦が青々と茂り、足を踏み入れるとひんやりとした空気が迎えてくれました。天上高のある広々とした空間に、ぽつりぽつりと商品が置かれた様子はまるで美術館のよう。「古家具屋というと、商品がぎっしり並べられた店内をイメージされるかもしれませんが、余白を持って一点一点をしっかり見せる、田舎でしかできない贅沢な表現をしたかったんです」と店主の仁平 透(にへい とおる)さん。こうした店構えに象徴される独自の世界観に惹かれ、県外はもとより国外からもファンが訪れます。

はじまりは仁平古家具店

「こどもの頃から人とは違うものを求める傾向があったと思います。通学路の小石を拾ってお守りにしたり、捨てられている粗大ゴミを持って帰ったり。学生になると古着はもちろん、バイクや音楽も古いものを好んでいました」と仁平さんは話します。その嗜好性からごく自然な流れで古家具や古道具にも興味を持ち、骨董市に足を運ぶようになったそうです。しばらく企業に勤めたのちに古家具の魅力を伝えたいと、2009年に地元に近い真岡市に「仁平古家具店 真岡店」を開店。味わい深い一点ものがリーズナブルな価格で手に入ると話題を呼び、翌年には益子市に2店舗目をオープンしました。

“逸品”のための店「pejite」

「市場に出向いて競りで買い付けてくるのですが、だんだんと目が肥えてくるんですよね。こんなに丁寧な手仕事で作られたものが、こんなに良い状態ではもう出てこないだろうということがわかるようになってきたんです」と仁平さん。ところが仁平古家具店は、リーズナブルな普段使いの古家具屋。そういった“逸品”は、コンセプト、サイズ感、価格帯が見合いませんでした。
そこで新たに誕生したのが「pejite」でした。明治、大正、昭和期の大型家具をラインアップし、益子焼を中心とした食器やアパレルと合わせて、心地よい暮らしを提案するコンセプトショップとして2014年に開店。ショーケースや食器棚など、店舗什器としても重宝されるプレミアムな古家具が話題を呼び、2018年には益子に続いて東京・青山に2店舗目をオープンしました。

作品づくりのようなメンテナンス

pejiteの人気の背景にあるのが「仁平さんの審美眼」と「pejite流のメンテナンス」です。「古家具の善し悪しは一口に言えるものではないのですが、サイズ感、材質、飾りやあしらいといった視点で、かなりシビアに厳選しています」。店舗での接客やメンテナンスはスタッフに任せている現在でも、買い付けはいまだに仁平さん自身で行います。

買い付けてきた家具は仁平さんディレクションのもと、自社の職人によってメンテナンスされます。黒や茶色に塗装されているものの多くは洗浄で塗装を剥がし、現れた無垢な木材を丁寧に磨き上げ、補修や補強が必要な部分に手を入れます。ガラスを入れ替えたり土台を直すこともある一方で、あえて傷や歪みを生かすものもあるといいます。

「独学のため固定観念がないので、自由な発想でやっています。一目見た時から概ね完成イメージが見えています。もしかすると作品づくりに近いかもしれませんね」

スタイリッシュな空間に置いても遜色のない佇まいに仕上がった古家具たち。その凛とした姿には、思わずピンと背筋が伸びるような不思議な魅力や有り難みがあります。

オリジナルブランド「汲古」

古家具と並んで目を引くのが、オリジナルのテーブルウェアブランド「汲古(きゅうこ)」。ウッドプレートや陶器など、テーブルに味わいを添えてくれる素朴でいて洗練された佇まいが印象的です。メンテナンスのためにストックしてある木材を活用したことが始まりで、その後、手頃な焼き窯が見つかり、職人を迎えてオリジナルの益子焼の食器もラインアップしました。

「この町には益子焼に関わる方がたくさんいます。焼き物をやりたいと話していたら『こんな土がいいよ』とアドバイスをくれたりして、この土地ならではの繋がりが生きているのを感じています」

2022年には東京・新丸ビル内に専門店の「汲古」がオープンしました。

古いものをとことん愛する

仁平古家具店の開店から15年、pejiteの立ち上げなどを通じて古家具と向き合ってきた仁平さんが次に考えていることをうかがいました。

「これまで『古いもの』にご飯を食べさせてもらってきましたから、古いものに対しての愛情や感謝の気持ちがあります。そこで、誰も買わないような古くてボロボロの物件を購入して手を加え、店舗として貸し出す準備を始めました。これから商売をやりたい方に始めやすい賃料でお貸ししてスタートアップの手助けをするとともに、地方の町が盛り上がるきっかけになればと考えています」

pejite益子も仁平さん自らで米蔵を改装したもの。大家さんが地元の少年野球に協力的で、かつては雨天時の練習場として使われていた過去があり「改装のために梁まで登ってみたら野球ボールがいくつも出てきましたよ。壁が剥がれているのも練習場時代の名残りでしょうね。そんなエピソードも含めていいと思いました」と振り返ります。

大量生産や画一的な手法で作られたものにはない「温かみ」とともに、日本の手仕事に生きる「誇り」を感じられる古家具。pejiteの古家具はオンラインストアからも購入できますが、ぜひ店舗に足を運んでみてください。古家具を愛するpejiteの世界観に直に触れると、きっと古家具の新たな魅力が見えてきます。

pejite(ペジテ)

pejite 益子
〒321-421 栃木県芳賀郡益子町益子973-6
Tel. 0285-81-5494
営業時間:11:00〜18:00
定休日:木曜日

pejite 青山
〒107-0062 東京都港区南青山5丁目6-9 サウス青山マンション 102
Tel. 03-6427-6131
営業時間:12:00〜19:00
定休日:木曜日

セゾン・アメリカン・エキスプレス®・カードが
ご利用いただけます。
https://www.pejite-mashiko.com/top/

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