夕陽と星空に浸る贅沢
世界ジオパーク伊豆
繭二梁
夕陽と星空に浸る贅沢
世界ジオパーク伊豆
繭二梁

「ユネスコ世界ジオパーク」に認定された西伊豆の大自然を堪能できる「繭二梁(まゆふたはり)」。古民家から移築された梁(はり)を活用したすべての客室に露天風呂が備えられています。都会の喧噪から隔絶された堂ヶ島の絶景を眺めながら、希少な源泉掛け流しの湯に浸る時間は格別。別室でゆっくりと頂く旬の恵みは至福のひとときで、大地の豊かな恵みが明日への活力を生んでくれるようです。

地球の営みを感じる“地球上の特異点”

東海道新幹線や東名高速道路からアクセスしやすい熱海や伊東などに対して、伊豆半島の反対側に位置する西伊豆エリア。伊豆縦貫道の延伸や下船原バイパスの完成により、いままでよりもずっと身近なエリアになりました。国道136号線をドライブすると、富士山を望む絶景を楽しむことができます。このエリアは本州で唯一フィリピン海プレートの上に位置し、地質学的にも非常に珍しい場所として2018年に「ユネスコ世界ジオパーク」に認定されました。かつては海底火山の集まりだった大地は世界にも希少な地形を育み、現在も続く火山活動や地殻変動が豊かな温泉や湧き水を生み出しています。地球の営みを感じるこの場所は、まさに “地球上の特異点”といえる特別な場所なのです。

自然を感じる客室

西伊豆エリアが「ユネスコ世界ジオパーク」に認定された年に誕生したのが「繭二梁」。地元の松崎町にあった古民家の梁(はり)を活かした二棟の建物は、わずか6室だけという贅沢なレイアウト。ゆっくりと時間の流れる西伊豆・堂ヶ島の雰囲気にぴったりです。「ご自宅や別荘のようにリラックスできる空間で、自然豊かなこの環境を満喫して欲しい」とは、支配人代理の森 陽紀(もり はるき)さん。メインの客室も古民家の梁で統一されていて印象的です。窓に映る雄大な自然からグラデーションのように続く天然素材のインテリアが、室内を落ち着いた空間に引き立てています。

全室に天然露天風呂

すべての客室には専用の露天風呂が備えられ、堂ヶ島の絶景を眺めながらいつでも源泉掛け流しのお湯に浸かることができます。この温泉は全国でもわずか1%しか存在しないと言われる「加温」も「加水」もされていない源泉そのもの。季節や気候によって湯温が変化することからも、天然の大地が生んだ恵みであることを感じさせます。掛け流しにもかかわらずお湯が溢れていないのが不思議で森さん尋ねると、「溢れたお湯で足下が濡れると冷たく不快なので、サイフォン式の湯船を採用している」とのこと。「日本の夕陽百選」に選ばれた日暮れ時はもちろん、深夜や明け方に星空を眺めながら浸かる露天風呂は実に贅沢な体験です。

滞在に奥行きを与えるふたつの繭

滞在にゆとりを与えてくれるのが「プライベート個室」。全室にメインの客室とは別に用意され、主にディナーや朝食を頂くダイニングとして使われますが、家族連れでの滞在やワーケーションなどでも活用できるとあって好評です。ピクチャーウィンドウと高さを合わせるようにレイアウトされたデイベッドに寝転ぶと、景色を眺めながらついつい微睡(まどろ)んでしまいます。「繭」になぞらえたこの二部屋が、滞在をぐっと奥行きのあるものにしてくれるのです。さらにエステルームとジェットバスを完備した「プライベートシエスタ」まであり、異なる3つの部屋を活用すれば連泊などの長期滞在でも実に快適に過ごすことができそうです。

地産地消とジビエの融合

この宿のもうひとつの主役が、堂ヶ島の海の幸と伊豆半島の山の幸を堪能できるフレンチ懐石。総料理長の山崎 健二(やまざき けんじ)さんがその日に採れた素材でコースを組み立てます。本マグロなどの鮮魚はお造り、地磯のアワビはポワレといった具合に、洋の東西を織り交ぜているのが特徴です。海や空、岩など堂ヶ島の自然をモチーフにした有田焼の器が五感を楽しませてくれます。料理人としてのこのエリアの魅力について伺うと「四季を通じて豊富な食材があることに尽きる」と話します。

「私は日本各地のオーベルジュでフレンチの修行をし、この場所に移ってきて10年ほどになります。フレンチのジビエ料理は、貴族が自分の領地で狩猟した自然の恵みとともに発展した文化ですが、私なりにこの大地の恵みを堪能して頂けるように工夫しています。朝食を担当している和食の料理長にも色々と教わりながら、この場所でしか作ることのできない料理を目指していきたいですね。ぜひ朝食とのコントラストを楽しんで頂ければ嬉しいです」

日本の自然美を堪能する

リアス式の複雑な地形を見せる海岸線を中心に、約14%の面積が「富士箱根伊豆国立公園」に指定されている西伊豆地方。なかなか足を運ぶ機会のなかったエリアでしたが、そこには地球の歴史を肌で感じる自然が残されていました。干潮時のみ姿を見せる海の道「三四郎島のトンボロ」や、天然記念物に指定されている天井に穴が空いた洞窟「天窓洞」など、人類よりも遙か昔に誕生した大地の神秘に触れることができます。「繭二梁からすぐの漁港にある沢田公園に町営の温泉施設があります。駿河湾に迫り出した断崖絶壁から望む夕焼けは凄い迫力ですよ」と森さんに教えていただいたので、さっそく帰路に立ち寄ってみました。空が茜色に染まり波間に島や松のシルエットが浮かび上がる様子は、不思議と心に訴えてくるものがあります。ゆったりとした時間に身を任せてぼーっと空を眺める時間も大切だと、改めて感じる旅でした。

繭二梁

〒410-3514 静岡県賀茂郡西伊豆町仁科2035-1
Tel:0558-36-3888
セゾン・アメリカン・エキスプレス®・カードがご利用いただけます。
https://mayufutahari.jp

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