アートに浸る宿
直島旅館 ろ霞(か)
アートに浸る宿
直島旅館 ろ霞(か)

現代アートの島として世界的にも有名な「直島」。穏やかな瀬戸内海に浮かぶ風光明媚なその島に、すべての客室に露天風呂をそなえた本格旅館「直島旅館 ろ霞(か)」がオープンしました。美しいしつらえや心温まるもてなしや瀬戸内の魚を中心とした食を楽しみ、そして気鋭の若手作家による現代アートと出会うことができる宿です。芸術観光の拠点としてはもちろん、ここでの滞在そのものが旅の目的になる魅力を秘めていました。

「Ether #80」がお出迎え

2022年に第5回が開催されている「瀬戸内国際芸術祭」。その舞台のひとつである直島には、現代美術の聖地として世界中からアートファンが訪れます。高松港を出港したフェリーが到着する「宮ノ浦」から車で10分ほどの山間に誕生したのが「直島旅館 ろ霞」。直島初の本格旅館としてだけでなく、現代アートの水先案内人である京都芸術大学の後藤 繁雄教授によるキュレーションやアートプログラムも特徴です。早速、玄関では名和 晃平による重力や空間と生命の関係性を表現した彫刻作品「Ether#80」が迎えてくれました。国内随一のアートディスティネーションといえる直島に、新しい魅力を添える宿の誕生です。

「あいさつ」からはじまった宿

「わたしは岡山県で80年以上続く旅館『季譜の里』の4代目当主でもあります。あるとき宿の隣に民家が建つことになって、工事が始まりました。うちのスタッフが現場のそばを通るときに毎日挨拶をしていたらしく、直島出身の棟梁から、『スタッフの挨拶が気持ち良いね!』と話しかけられました。その時に、『直島には外国人もたくさん来るのに、本格的な旅館がない』ということもお聞きしました。その後に、この場所を紹介していただき、ここに旅館を建てることになったんです。世界中からゲストが集まる直島で旅館をやるなら、美術館では味わえないアートとの距離感を大切にしたいと思いました」

「直島旅館 ろ霞」の館主を務める佐々木 慎太郎(ささき しんたろう)さんが、プロジェクトの経緯について話してくれました。スタッフの挨拶からはじまったなんとも不思議な縁ですが、小説家になりたかったという佐々木さんらしいドラマチックな展開です。

霞のごとく儚いときを堪能する

「ろ霞」とは、囲炉裏の火を意味する炉火の「炉(ろ)」と、朝霧や靄(もや)を連想させる「霞(かすみ)」を紡いだもの。火と水という根源的な要素をモチーフにしています。エントランスのアプローチに据えられた小さな「水田」は、水を象徴し、敷地の中心に据えられた「囲炉裏」が火を象徴しています。「満天の星空のした、お酒を片手に語り合うだけで特別な時間が流れていきます」と、カフェ・バー「moya」の田中 廉人(たなか れんと)さん。闇夜に揺らめく炎を眺めていると、時が流れるのも忘れて頭の中が空っぽになっていきます。

敷地全体が自然を活かしたアート空間

敷地全体に広がる庭は、ランドスケープデザイナーの「Yard Works」によって作庭されたもの。「山祉水明(さんしすいめい)」と名付けられ、囲炉裏と水田の配置は、法隆寺の五重塔や伊勢神宮などに取り入れられている「白銀比(大和比)」から導き出されています。枯山水による計算された美しさが野山の自然美を引き立てます。夜になると、その様子は一変。クリエイティブカンパニー「1→10」による光と音のインスタレーションで彩られます。SNSなどの刻一刻と変化するデジタルデータをリアルタイムに反映させている作品で、庭一帯が幻想的な雰囲気に包まれます。敷地全体がアート空間のように感じられ、満天の星空や心地よい風でさえ、誰かの作品ではないかと思えてくるから不思議です。

湯と風を楽しむ和の客室空間

平屋の客室棟には全部で11室のスイートルームがあり、全室に露天風呂がついているという贅沢なつくり。いずれも庵治(あじ)石や土佐和紙といった瀬戸内周辺の天然素材を巧みに織り交ぜた和の空間。微かなイグサの香りとやさしい色合いに日頃の疲れが癒され、ゆったりとした時間を過ごすことができます。

沓脱石(くつぬぎいし)や床柱、飾り棚には天然の素材が用いられ、ひとつとして同じ表情はありません。玄関で出迎える生け花はスタッフの手によるものだというから驚きます。各部屋に備え付けられている「クラフト温泉」は、岡山県「湯郷温泉」の天然成分を濃縮したもので、湯船に垂らせば手軽に温泉気分を味わえます。湯船に浸かりながら眺める裏山の景色は華道家の萩原亮大による作品で、風を可視化したオブジェが点在する不思議な風景。里山復活プロジェクトの一環として、直島の新しい原風景となりうる独特の世界を生み出しています。

“五味一風”を味わうレストラン「EN」

直島はまさに食の宝庫。瀬戸内の温暖な気候が多様な果物や植物を育み、穏やかな海には400種類以上の魚類が生息しているといわれています。メインダイニングの「EN」は会席のコースのみにフォーカスしており、「遠方からやってくるゲストには瀬戸内ならではの食を堪能して頂き、近隣の方には特別な食体験をお届けしたい」と、料理長の牧嶋 優治(まきしま ゆうじ)さん。支配人で料理人も務める市川 大輔(いちかわ だいすけ)さんは、「滞在全体を一遍の物語に仕立て、お食事はそのハイライトになるように心掛けています」と、食体験のコンセプトについて話します。裏山を活用した自家農園もはじまり、「今後は100%瀬戸内の食材でコースを組み立てたい」と話す二人の表情は実に生き生きとしています。とくに「寿司会席」の“イノベーティブ寿司”はカレイにオリーブオイルとバジルを加えるなど、基本を大切にしながらも新しい解釈が実に痛快。和食の技術を巧みに織り交ぜ、ここでしか体験できない食の魅力に挑戦しています。

在るものを生かし、生かされる

無量楽庵と名付けられた囲炉裏のスペースで、あらためて館主の佐々木さんにお話を伺いました。

「旅館の跡継ぎよりも小説家になりたかったわたしは、東京の大学を出たあと世界中を旅していました。インドを旅しているときに、ある村でお坊さんが焚き火の前に座っていると、さまざまな国から来た旅人が自然と集まってくるんです。悩みをお坊さんに相談したり、みんなでディスカッションしたり、いろいろな話をしました。火を囲んで人が集まる機会が旅の途中に何度もあって、とても楽しい時間だったことを覚えています。火には人を集める力があるし、対話には人を癒す力がある。この宿もそんな場所になったら嬉しいなと思って、敷地の中央に囲炉裏を配置しました。『無量楽』とは“無限に人を幸せにする”と言う意味で、インドでの滞在で頂いた言葉です。ゲスト同士がアートについて語ったり、お酒を飲みながら旅について話したり、そんな時間を共有できる場所にぴったりだなと思ってこの場所の名前にしました」

湯に浸かり、アートに浸る旅

飛行機と船を乗り継いでこの島に着き、いくつかミュージアムに立ち寄りながら島内のさまざまなアートプロジェクトを散策する。頃合いを見てチェックインしたら、冷たいお茶でひと息。さっそく露天風呂で汗を流して、ビールを片手に本でも読みながら夕食までの時間を待つ。そんな気ままなアートトリップにぴったりの雰囲気がこの宿にはあります。佐々木さんは「アートは人の心を揺さぶり、癒し、突き動かすために存在するもの」と話していましたが、それは想像よりもナチュラルで心地よい体験でした。たまにはふらりと自分だけの時間にどっぷりと浸かるディープな旅もいいかもしれません。

ご優待

ご夕食時にドリンクをおひとりさま1杯ご提供いたします。
※ソフトドリンクまたはアルコールドリンクからお選びいただけます。

[対象条件]

・お電話でご予約の場合
ご予約の際に、「PTマガジンを見た」とお伝えのうえ、対象カードでお支払いください。
ご予約電話番号:087-899-2356(受付時間 10時〜21時)

・WEBでご予約の場合
下記サイトからお手続きいただき、「ご予約の決め手」欄に「PTマガジンを見た」とご入力ください。
お支払いは、対象カードでお支払いください。
WEBでのご予約はこちらから

[ご優待対象期間]
2023年4月30日(日)まで

[対象カード]
セゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス®︎・カード
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®︎・カード
MileagePlusセゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス®︎・カード
freeeセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®︎・カード
全弁協セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®・カード
CPAセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®・カード
へきしんセゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス®・カード
へきしんセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®・カード
大和証券セゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス®・カード
みずほセゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレスR®・カード

直島旅館 ろ霞

〒761-3110 香川県香川郡直島町1234
Tel. 087-899-2356
ご予約はこちらから

セゾン・アメリカン・エキスプレス®・カードが
ご利用いただけます。
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