湯と食と寛ぎが融和した宿
三輪 湯河原
湯と食と寛ぎが融和した宿
三輪 湯河原

古くから名湯として知られる湯河原温泉。数々の文人、画人が愛した温泉地としても有名です。2019年に開業した「三輪 湯河原」は現代アートの美術館のようなインパクトのある建築とデザインに、温泉旅館として和のもてなしを融合したサービスが魅力の宿。全室に用意された露天風呂とモダンに解釈された日本料理は、隠れ家のような寛ぎを提供してくれます。

通が好む温泉郷

芦ノ湖を中心に温泉リゾートとして発展した箱根と、近年、アートプロジェクトなども注目される熱海。その中間に位置する湯河原は、山間の静けさと落ち着いた風情が魅力です。海側の吉浜や山側の鍛冶屋、箱根寄りの奥湯河原など、このエリアだけでも100軒近い湯宿が集まっています。名だたる高級旅館だけでなく、湯治場としても利用されてきた日帰りの温泉場も多く、じっくりと湯巡りするのにぴったり。通年、気候も温暖なため古くから文豪や画家などが好んで逗留した場所でもあり、財界人の別邸なども点在しています。電車でも車でも都心からアクセスしやすく、通好みの温泉郷としていまなお根強い人気を誇ります。

ホテルでもない、旅館でもない

2019年、湯河原エリアの「理想郷」という別荘地に誕生した宿が「三輪 湯河原」。山間に進む小径は急勾配で、下から見上げても全容をうかがい知ることができない立地です。切り出した石に立方体の鉱石が埋め込まれたような不思議なファサードで、美術館のような佇まいが印象的。塚本 博彦(つかもと ひろひこ)支配人は、「木目や真鍮、左官やファブリックなど、素材の表情を巧みに織り交ぜた空間は、オーセンティックな宿が多い湯河原では一層新鮮に映ります」と、話します。

「この建築設計は内田デザイン研究所によるものです。ユニークなエントランスをくぐると水盤がゲストを出迎えます。これは、天井の3ヵ所から垂れてくる水滴が“三輪”を描くインスタレーションで、ランダムに波紋が広がります。到着フロアは建物の中層にあたり、バーとロビーだけのゆったりとした雰囲気に仕立てました。大人が寛ぐために必要な要素がギュッと詰まっていて、ホテルライクな使い勝手と和のもてなしを合わせたプライベート感のある滞在が自慢です。スタッフ一同、マニュアルどおりの接客ではなく“自分の大切な人が目の前にいる”という心構えでお客様をお迎えしています。一切のしがらみから解放されて、ともかくのんびりできること。それが三輪の魅力です」

癒やしの滞在に必要なもの

山間の傾斜地に立っているためエントランスは2階にあたり、空間は敷地以上に奥行きと広がりを感じます。館内にあるのはレストランとバー、そして17室の客室のみと、いたってシンプル。周辺にも騒がしい観光名所やお店はなく、コンビニさえ見当たりません。木立に囲まれた景観が楽しめるのは、敷地に設けられた贅沢な余白によるもの。客室は落ち着いた色調で整えられ、窓に映る湯河原の自然がよく映えます。小さなボストンバッグと本を一冊携えて、都心からワインディングをゆっくりドライブ。チェックインを済ませたら、ディナーまでのひとときバーで静かにグラスを傾け、本をめくる。そんな静寂こそが、大人の寛ぎには必要なのだと気付かされます。

湯に浸り、思索に耽る

客室は1階の「木立のツイン」、2階と3階の「山水のツイン」、そして1室だけの「三輪のスイート」の3タイプ。いずれも主役は掛け流しの露天風呂で、特筆すべきはそのなめらかなお湯です。すべての客室のテラスにはたっぷりとしたサイズのバスタブが備え付けられていて、いつでも好きなだけ湯河原の湯を堪能できます。アルカリ性の泉質は刺激が少なく、露天による頭寒足熱の効果もあっていつまでも浸かっていたくなる心地良さ。また、客室で受けるプライベート感あふれるトリートメントもおすすめ。2007年にフランスで誕生したSPAブランド「THEMAE(テマエ)」によるオリジナルメニューが人気で、一人でもツインルームでお二人(時間差の施術となります)でも受けることができます。豪華なスパルームのエステも魅力的ですが、自室で受ける施術はまた格別です。誰にも気兼ねすることなくひたすら心と体をほぐすひとときは、何よりのご褒美かもしれません。

日本料理の新境地

食事を担当するのは、杉山 和久(すぎやま かずひさ)料理長です。イタリアンとフュージョンさせたスタイルは、和食一筋28年の新境地ともいえる新しい懐石料理。例えば鮮やかな前菜は「金時人参とサーモンのコンソメ」「菜の花と平目の昆布締めゼリービネガー」「空豆と海老真薯」の盛り合わせ。日本料理をベースとしながらも、奥ゆかしい湯河原のイメージを鮮やかに覆すひと皿たちです。

「食事を楽しみに来てくださるお客様が多いのですが、温泉街では珍しいフュージョンキュイジーヌが新鮮なのかもしれません。素材は相模湾や駿河湾で獲れた新鮮な魚介類と、豊かな山の幸が最大の魅力です。最近は連泊のお客様も増えて幅広いお客様がお泊まりになるので、どんな世代でも安心して楽しんでいただける料理がモットーです。コースの締めにお出ししているトリュフご飯は演出もさることながら、実はお客様のお席にうかがう口実のようなもの。直接ゲストとふれあえる機会は大変励みになります。湯河原という温泉郷にあって、新しい食体験を提供し続けたいと思っています」

良い宿は朝が気持ち良い

朝、いつもより少しゆっくり目を覚まし、テラスへ出て湯船に浸かる。山向こうから差し込む朝陽が湯船に煌めき、さらさらと笹の葉のこすれる音がなんとも心地良く耳に響きます。朝食は炊きたてのご飯に五味が揃ったおかずを合わせて、しっかりと頂く。がんもが余りにおいしかったのでどこのものか尋ねると、「湯河原 十二庵」のものだと教えてもらいました。せっかくだし帰りに寄ってお土産を買って帰ろうか、久しぶりに箱根まで足を伸ばそうか。部屋で食後の一服を頂きながら、そんなたわいもないひとときに幸福を感じてしまいます。湯河原は都心からの近さもあってか、朝になっても気持ちにゆとりを感じるのも魅力。良い宿は、朝を良い時間にしてくれるのかもしれません。

三輪 湯河原

〒259-0314 神奈川県足柄下郡湯河原町宮上206
Tel.0465-46-6111

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