みんなに優しい洋菓子
シヅカ洋菓子店
自然菓子研究所
みんなに優しい洋菓子
シヅカ洋菓子店
自然菓子研究所

選択肢の多様化が進む現代では、食事だけでなくお菓子においても、心地良いと感じることができるものを選ぶ人が増えています。 シヅカ洋菓子店 自然菓子研究所(以下、シヅカ洋菓子)では、 できる限り地球環境に配慮した原材料や資材の選択、スタッフの働き方改革など、多様化する現代のフィーリングにフィットした洋菓子を提案しています。お店を立ち上げた栗原さんにお話をうかがいました。

自然にも人にも優しい場所を作りたい

「地球環境に配慮しながら、労働環境も良い。そんな、自然にも人にも優しい場所を作りたいと思ってこのお店を作りました」と、立ち上げの経緯について話してくれたのはシヅカ洋菓子店の創業者である栗原 代奈(くりはら だいな)さん。スイーツ業界でキャリアを積み、環境負荷の高いもの作りやパティシエの長時間労働などに疑問を感じて、2021年にお店をオープンさせました。商品構成を焼き菓子8割、生菓子2割と、通常の洋菓子店とは真逆の構成にすることで労働時間の平均化を図るなどの工夫をしています。“はじめに商品ありき”でスタートしていないところは、商品に強いこだわりを持つパティシエが多いスイーツ業界では珍しいことです。しかし、シヅカ洋菓子店のコンセプトはオープンから瞬く間に注目を集め、クッキーやケーキはスイーツ好きの憧れになっています。そして何より、クッキーを一口かじればシヅカ洋菓子店が地球環境と働く人だけでなく、消費者にとっても最高に優しいお店なのがわかります。

シンプルを極めた6種のクッキー

シヅカ洋菓子店で特に人気なのは、クッキー缶の「No. 1 Shizuka Biscuit」。ハニー、紅茶、ダブルカカオ、全粒粉、フロランタン、レーズンの6種類が缶いっぱいに詰められています。「パティシエと試行錯誤を重ねて、完成するまでに約半年かかりました。この6種類のクッキーが完成して、初めてお店をオープンできると思いましたね。最高においしい焼き菓子を提供できるまでは、お店は出せないと考えていたのです」と、栗原さん。このクッキー缶は、シヅカ洋菓子店の原点ともいえる商品なのです。

完成させるにあたり、どのような点にこだわったのでしょうか。
「個人的に飲み物がないと食べづらいような、生地がぼそぼそパサパサしているクッキーが苦手なので、それは避けたかった。さらに、ハニーや紅茶といったシンプルな味にこだわりました。家でクッキーを作るときの素朴で優しい味をイメージしています。フランス語が羅列されているような、難しい名前は私が覚えられません(笑)。こどもが食べて、『レーズンのクッキーがおいしかった』って名指しで感想をいえるような優しいクッキーを目指しました」

噛みしめるほどに増す味わい

素朴でシンプルな味に加えて、シヅカ洋菓子店のクッキーにはバターの芳醇な香りや口に入れたときの絶妙な食感など、洋菓子特有の豊かさも感じられます。口の中ですぐに崩れてしまうのではなく、噛みしめるほどに素材の味わいや旨味が感じられる重厚感も特別です。ありそうでなかなか存在しない魅力は、いつもそばに置いておきたくなる味。シンプルなのにおいしいって最高に贅沢だな、と改めて思わせてくれるのです。

「小麦は北海道産の『はるゆたか』、バターは北海道十勝産の生乳から作られた『よつ葉バター』を使用しています。また、ほとんどのクッキーは型取りをしたり包丁でザクっと切ったりと、一つひとつ人の手で成形しています。手間がかかるし、作る数が限られてしまうのですが、機械で加工すると、どうしてもこの食感は再現できないんです」

完成するまでは材料を何度も計量してベストなバランスを試行錯誤しました。その姿がまるで“優しさとおいしさの研究”のようだったことから「自然菓子研究所」という言葉を店名に入れたそうです。お店のスタッフたちも、ラボで働く研究者さながらの雰囲気をまとっています。

「しあわせ(自合わせ)のお菓子」

奈良県産百花はちみつや京都宇治で有機栽培された和紅茶など、国産の材料をなるべく使うようにしているのもシヅカ洋菓子店の特徴です。「農薬や化学肥料をできるだけ使用していない国産原料を選んでいます。海外から材料を輸入すると、それだけで環境負荷がかかってしまうので。また、日本ですばらしい農作物を作っている農家さんを応援して、日本の食料自給率をあげていきたいという思いもあります」という想いから生まれたのが、自然と合わせた「しあわせ(自合わせ)のお菓子」というお店のコンセプト。店名の「シヅカ」も“自然を束ねる”という意味から名付けられました。春には桜の花の国産蜂蜜を使ったクッキーを作るなど、日本の自然のめぐみを生かした製品作りを大切にしています。

お店やクッキー缶もシンプルに

シヅカ洋菓子店を訪れると、お菓子に加えてお店のインテリアやクッキー缶のデザインもシンプルなことに気がつきます。
「ショコラティエなど多くのお菓子屋は、お店もパッケージもどんどん“盛って”華やかにするのが主流だと思います。でも僕は、それとは逆に日本的な“引き算の美学”を大切にしたいと思いました。あくまでもお菓子を主役にしたかったので、シンプルな商品に合わせてお店とパッケージのイメージも揃えたかったのです」
クッキー缶のフタに貼られたラベルは、お礼やお祝いなどシーンに合わせて変更できるので、特別な方へのギフトにもぴったりです。

こどもも気軽に立ち寄れるお菓子屋

「三田本店の建物は築65年の木造住宅を改修しています。今まで大切にされてきた建物を、未来のこどもたちにつなげていけたらと思っています。この場所を選んだのは、保育園の待機児童がゼロの地域で、かつ車が少なかったから。こどもがお腹を空かせたときに、ちょっと走ってお菓子を買いに来られる。そんなお店を目指しました」

味や素材はもちろん、地球環境や未来を担うこどもたちにも優しいシヅカ洋菓子店。すでにスイーツ好きの間では話題の存在ですが、次なる夢は何なのでしょう。 「ありがたいことに今は生産が追いついていない状態ですので、まずは、いつお客様がいらっしゃっても購入しやすい状況を作りたいです。バレンタインにはチョコレート、そして夏頃にはアイスクリームなど、商品のバリエーションも増やしていきたいですね。お客様の期待を常に少し上回るような、最高のお菓子を提供できることを目指しています」

自分だけが「おいしい」と感じるのではなく、お菓子を作る人や原料を作る人など、周りのみんなも幸せを感じている。そんなお菓子にまつわる豊かさがたくさん詰まっているシヅカ洋菓子店。きっと、誰かに贈りたくなりますよ。

シヅカ洋菓子店 自然菓子研究所

三田本店
〒108-0073 東京都港区三田5-4-10
Tel. 03-6381-7770
定休日:火曜日
営業時間:11:00~18:00

銀座5丁目店
〒104-0061 東京都中央区銀座5-7-10
Tel.03-6280-6702
営業時間:11:00~20:00
(EXITMELSA GINZA SWEETS MARCH内1F すずらん通り沿い)

セゾン・アメリカン・エキスプレス®・カードが
ご利用いただけます。
https://shizuka-labo.jp/

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