浮き指、爪変形、外反母趾、O脚、冷え、むくみ、かかとのカサつき。足にまつわる問題は身近な悩みながら、ついつい後回しにしてしまいがち。慢性的に足の問題を抱えたまま暮らしている方も少なくありません。「CARE:SOKU(ケアソク)」は、靴下を通じて足の悩みの解決をめざすブランド。たかが靴下とあなどるなかれ。科学的根拠に基づいた健康器具としての靴下をご紹介します。
健康な足の指標のひとつとして、すべての足指がきちんと接地し、足裏全体で地面を捉えている状態が理想的だとされています。しかし実態は日本人の2人に1人は指がきちんと接地していない「浮き指」だと言われています。浮き指は、身体のバランスを崩し、足の疲れや痛み、爪変形、外反母趾やO脚などを引き起こす原因のひとつ。裸足で垂直に立ってみて、足指の下に紙を滑り込ませてみてください。もし浮き指であれば紙がスッと滑り込んでしまうはず。これを矯正する方法として、矯正用の靴やインソールなどがありますが「靴を脱ぐ文化の日本では限界があるということに気づき、靴下から足の健康を考えていきたいと思った」と話すのは株式会社山忠 代表取締役会長の中林 功一(なかばやし こういち)さん。これからご紹介する「ケアソク」の生みの親でもあります。
「ケアソク」は「FOOT HEALTH WARE(フットヘルスウェア)」をテーマに掲げ、履くことで足本来の機能を引き出し、身体の不調を未然に防ぐ靴下をめざすブランドです。「ととのえる」「うるおす」「あたためる」の3つのシリーズを軸に、浮き指をはじめ、かかとのカサつきや冷えといった現代人に多い足の悩みにアプローチします。ケアソクを展開する株式会社山忠は、新潟県加茂市に本社、工場、店舗を構える靴下メーカー。一台の靴下編み機から始まり、創業65年の歴史を持ちます。
「父を含む4兄弟で始めた山忠は、私で3人目。靴下を生業にして長いのですが、企業還暦の60周年を前にふと『靴下の真の顧客は誰だろう』と疑問が湧いてきました。一年以上悩んだある日、天啓が降りてきたように答えが見えたんです。靴下の真の顧客はほかならぬ『足』じゃないかって。この当たり前にも思えるような気づきが大きな転機でした」と中林さん。30年以上も前に、冷え解消の「重ね履きシルク5本指ソックス」や足裏のツボ押しソックス「満足」、かかとのケアソックス「足うら美人」といった機能性靴下を開発し強みとしてきました。そして新たなブランドとして、2018年に「ケアソク(CARE:SOKU)」が誕生します。
ケアソクの最大の特徴は、科学的エビデンスに基づいたアイテムであること。「ととのえる」「うるおす」「あたためる」のいずれの製品も、独自に計測したデータをもとに医師や大学教授などの足の専門家によって監修されています。「山忠の開発指針には1970年からすでに『靴下を健康器具として考える』という言葉がありました。先代たちの想いが私の中で腑に落ちたんです。アイデアやお客様の声を商品化するのももちろん大事ですが、靴下の真の顧客である“足”のために何ができるかを考え抜いた結果、靴下を健康器具と捉え、徹底的なデータに基づく研究開発に至りました」と中林さん。2019年には中林さん自身が新潟医療福祉大学大学院に入学し、仕事の傍らで足の健康を研究しました。専門家とのネットワークが広がり、科学的根拠を追求するというケアソクの特徴がより色濃く確立されていきました。
こうした科学的根拠に基づいた研究開発を進める中で、足底圧(そくていあつ)計測器の導入も大きな決断でした。この計測器はボード部分に立つだけで足裏や指の接地域や負荷のかかっている部分などの状態がつぶさにわかるもの。気になる浮き指も、どの指がどれくらい地面についていないかが可視化されます。
「つまりケアソクを履く前と履いたあとの効果も一目瞭然。専用編み機や計測機器の設備費、開発にかかった時間を考えると良い結果が出ないというのは許されない。初めての計測は、本当にデータが変わるのか? と心臓がバクバクしましたよ(笑)。測定の結果、重心バランスが整い、浮き指が見るからに改善されるなど顕著な効果が確認でき、そのとき靴下の新しい未来が見えました」と中林さんは話します。
足の根本的な悩みをサポートするのが「ととのえる」シリーズ。ポイントは主に3つで、1つ目は「インナー5本指」。つま先内部分が内側で5本指に仕切られた構造で、指を正しい位置に配置しつつ自由に動かすことができます。仕切られてはいるものの指の動きは連結しているため、一般的な5本指靴下よりも接地面が大きく、重心バランスを整えます。2つ目は「かかとハニカムクッション」(実用新案登録 第3193857号)。独自の編み方でかかと部分にクッション性を持たせ、かかとからの衝撃を軽減。程よい厚みが後ろ体重やつま先体重、どちらのタイプにも安定感をもたらします。3つ目は「横アーチサポート」。足の甲から足裏の土踏まずにかけて施された独自の設計が潰れがちな横アーチを持ち上げ、足回りのトラブルを緩和します。
この複雑な構造ゆえに一足を編み上げるのにかかる時間は70〜80分、一般的な靴下と比べると実に約10倍の時間がかかるというから驚きます。「特殊な編み機ということもあって、一日に製造できる『ととのえる』の製品はたった20足。正直言って生産効率は良くないのですが、唯一無二の靴下を作る覚悟の表れです。おかげで靴下業界では山忠は変態と言われています(笑)」と冗談を交えて工場を案内してくれたのはマーケティング本部の亀山 貴司(かめやま たかし)さん。「効果を感じていただくにはサイズのフィット感も重要なポイント」とのことで、一般的な靴下よりも細かい2cm刻みというサイズ展開も、「ととのえる」ならではの特徴です。
中林さんに今後の展望をうかがうと「小指の可能性に着目し、親指と小指を独立させた3本指靴下を開発しました。これは特にスポーツの分野で高いパフォーマンスが期待できると考えています。クラウドファンディングで『ととのえるスポーツ』として発表したところ、非常に高い関心をお持ちいただきました」と、目下サポーター向けに2024年春頃の発送をめざして製造中。今後は一般販売も予定されているとのことです。さらに「まだまだやりたいことはたくさんありますよ! 最後まで自分の足で歩く『歩行寿命』を延ばすことが、健康寿命を延ばすことにつながり、ひいては医療費をはじめとした財政にまで影響を与えると考えています」と力強く続けます。現在その一環として、山忠が発起人となり、地元・加茂市の行政と協力して、歩数に伴ってポイントが貯まる取り組みも始まっているそうで、その行動力と発信力からは靴下メーカーの枠を超えた情熱を感じました。
実際に「ととのえる」を履いてみると、5本の指を収めるのに若干手間を取るのですが、定位置に収まるやいなや足指に意識が行き届くような感覚があります。特に親指や小指といった外側の指の輪郭がはっきりとするような印象です。数日履き続けてみると、自然と足指を動かす癖がついて血の巡りが良くなり、冷えが解消されたり、立ち続けた時の負担もかなり軽減されました。また、ご愛用のお客様からは「巻き爪が改善された」「外反母趾の状態が良くなった」「小指の爪が生えてきた」といった喜びの声も寄せられているそうで、「脱ぎ履きの面倒臭さも足指への意識を持つきっかけになり、触りながら履くことでストレッチにもなります。靴やインソールのように即効性はありませんが、履き続けることで日常的に足指を意識し、徐々に足を良い状態に整えていくんです」という中林さんの言葉が思い出されます。
靴下から見直す健康───この新しい視点は、足にまつわるものはもちろん、骨格の歪みや歩行時のパフォーマンスなど、意外な悩みまで解決してくれるきっかけになるかもしれません。いつまでも自分の足で歩いて好きなところへ出掛けるために、毎日履く靴下から見直してみませんか?
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ご利用いただけます。
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営業時間:10:00〜18:00
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