“洋服の帰る場所”を整える
NAKATA HANGER
ナカタハンガー
“洋服の帰る場所”を整える
NAKATA HANGER
ナカタハンガー

洋服をかけるための道具である、ハンガー。身近なものでありながら、素材、種類、サイズ、用途など、実は奥の深いアイテムです。中田工芸株式会社は、国内唯一の木製ハンガー専業メーカーとして1946年に創業した老舗。「洋服の帰る場所」というコンセプトを掲げ、無駄のないデザインと洋服のシルエットを保つ「NAKATA HANGER(ナカタハンガー)」を作り続けています。代表取締役社長の中田 修平(なかた しゅうへい)さんに、ブランドの特徴やそこに込められた企業哲学をうかがいました。

洋服にも帰る場所を作りたい

東京の地下鉄「青山一丁目」駅に直結するビル内に、洋服を大切にするファッション愛好者が足繁く通うスポットがあります。それは、創業77周年を誇る中田工芸株式会社による国内唯一の木製ハンガー専業メーカー「NAKATA HANGER」のショールーム兼店舗。店内には、ハンドクラフトの温かみと高級感を兼ね備えたハンガーがずらりと並んでいます。人に帰る家があるように、洋服にも帰る場所を作りたいという想いから、木のぬくもりを感じられるこだわりのハンガーを生み出しています。こだわりのオーダースーツを愛用するビジネスマンはもちろん、使い捨てハンガーの環境的な影響などを背景に、最近ではギフト需要も多くなりました。いま改めて“良いハンガーとは何か”という興味を持つ人も増えているようです。

幸福もかけるハンガー

「良いハンガーの機能とは、洋服を良い状態に保つというもの。それはもちろん大事なことですが、その洋服を着るのは人なので、ハンガーを使う人も幸せになってほしいという願いを込めて作り、お届けしています」と、代表取締役社長の中田 修平(なかた しゅうへい)さん。この言葉は、創業者の「ハンガーはふくかけだ。服と福をかけるんだ」という口癖につながっています。「『洋服だけでなく幸福もかける』という創業者の言葉は語呂だけの話ではなく、『使う人に幸せになってもらいたい』という想いを込めながら職人が手作業でハンガーを作っているというわたしたちの姿勢でもあります。人と自然に感謝と敬意を持ちながら、それを手にする人に心地よさをもたらす木製ハンガーでありたい、というのがNAKATA HANGERの願いです」

あくまでも洋服が主役

NAKATA HANGERは、「洋服のシルエットを保つための機能」を大切にしています。例えば「NH コレクション」は、特別な厚みの一枚板から職人がフリーハンドで削り出して作る継ぎ目のないハンガーコレクション。「トレンチ」と呼ばれるハンガーの襟周辺に凹凸があるフォルムで、ジャケットの襟周りのシルエットを美しく保ちます。さらに、 NAKATA HANGERを代表する『AUT-05』では「無駄のないデザイン」を重視。あくまでも洋服が主役であると考え、長年にわたり飽きのこないデザインを提供しています。余計な装飾は極力控えているのが特徴で、ビスポークブランドからの発注も多いモデルです。ハンガーの形状や仕上げの色、ロゴの入れ方など、顧客の多岐に渡るリクエストに対応していますが、フックの形状を数種類に絞ることで、クローゼットに並べたときに統一感が出るように工夫しています。

豊かな暮らしにつながる

ハンガーの素材は上質なブナ材を使用。「素材が天然の木材というのは、豊かな暮らしにつながる大事な要素です。手にするたびに木の温もりが感じられる日用品というのは、デジタルが発達した現代にこそ人間らしさを回復する大事なものだと考えます。人間に一人ひとり個性があるように、木にも一つひとつ表情や特徴があります。特徴的な木目や節があっても、使用しているとだんだんと愛情が湧いてくるのが自然素材の良いところです」と、中田さんは話します。顧客から、「ハンガーの真ん中のつなぎ目が見えないようにしてほしい」というリクエストが出るのもハンガーにこだわりがあるからこそ。「NH コレクション」は、こうしたお客様のために誕生したのです。

幅広い商品展開

ショールームにお邪魔して営業部の髙橋都望子さんに、人気のアイテムを教えていただきました。「まずは、AUT-05。型くずれを防ぐ弓なりの湾曲と肩先の厚みが特徴の、NAKATA HANGERを代表するジャケット用ハンガーです。厚みがある立体的なジャケットでも、このハンガーに掛けると型崩れがしにくいと好評です」

もう少しカジュアルな洋服に合うハンガーを探している人には、「AUT-09」のシャツハンガーがおすすめとのことです。「Tシャツやカジュアル向けのセットアップなどをかけるのにぴったりのハンガーです。色やラインがAUT-05と同じなので若い層を中心に人気で、セットで揃えるとクローゼットに統一感が生まれます」

スマートなギミックと丸みのある木部がエレガントなズボン吊りハンガー「AUT-07G」も、根強いファンの多い商品。「ズボンの裾をかけて逆さに吊っていただくと、膝の周りのシワを伸ばしながら保管できます」

その他、NAKATA HANGERはストールやネクタイハンガー、和装ハンガー、ペットハンガーまで幅広くそろえています。

感情にうったえるものづくり

最近では、ハンガーを結婚式の引出物や学校の卒業記念としても提案しているそうです。背景には、歴史あるハンガーブランドとしてどんどん新しいことに挑戦したいという想いがあるといいます。「ブランドの歴史を守るというより、ハンガーの新しい歴史を作ることを意識しています。“伝統とは革新の連続である”という言葉があるように、新しいことへの挑戦が革新となり、その積み重ねが歴史となるはず。生き残るには変化に対応することが必要と言われますが、私は『変化を作る』という姿勢こそが大事だと社員に伝えています」と、中田さん。ヒストリーを意識して、長期的な観点でものごとを考えるようにしているとも続けます。

「時は流れても人間として変わらない大事なものは何か、ということを意識しています。AIやテクノロジーが進化しても、それらを扱ったり満足してもらう対象は喜怒哀楽を持つ人間なので、機能よりも感情に訴えられるものづくりとサービスを心掛けるようにしています。そして私も含め、ともに働く人達と一度しかない人生でどのようなキャリアを成し遂げるべきなのかを常に考えています。世の中どうしても問題や課題ばかりに目がいきがちですが、チャンスもたくさん存在しています。地方の中小企業でありながら、ネットやSNSを活用することで世界と繋がることができる時代です。できることをやらないと後で必ず後悔するので、失敗しても良いからやってみようよ、というしなやかな組織とチームであり続けたいです」

ハンガーの無限の可能性

富士山をモチーフにしたハンガーなどは、海外の富裕層にも人気だといいます。「ハンガーのシルエットは『八』の字で“末広がり”を表すのですが、海外でも8は無限『∞』を想起させることから“無限の可能性”を持っていると信じています。冒険心とチャレンジ精神を持ちながらハンガーの可能性を追求し、独自の世界を展開していくのがNAKATA HANGERというブランドです」

社長就任後は、「世界一のハンガーブランドになる」という目標を掲げて、その実現のために社員たちと日々活動していると熱く語ります。「“世界一”というのは売上や規模の拡大のみを求めている訳ではなく、『ハンガーにおいて世界一の驚きと感動をもたらす』という意味です。そしてそれは観念的なことだけではなく、具体的な成果を示していく予定です」

心と暮らしを整える

「ハンガーにかけるものは洋服であり、そのハンガーをかける場所はクローゼットや家のどこか相応しい場所です。つまり、ハンガーは衣食住の『衣』と『住』に関わる部分です。ハンガーにまでこだわる人は、きっと着る服や住まいにもこだわりがあり、食事も大切にしているのではないでしょうか。物質的なものの追求よりも、気持ちにゆとりがあり、心が豊かな暮らしをしている人が多いように感じます」と、中田さん。ブランドのスタッフや職人たちの情熱が込められたハンガーは、どっしりと高級感があり、控えめながらも重厚な存在感を放っています。きっと、ジャケットをハンガーにかける所作やその瞬間を優雅にしてくれることでしょう。出かける先で待ち受けるシーンや、これから会う人のことを考えながら洋服を身に纏う。そして帰宅したら洋服をハンガーに戻してブラシをかけて休ませる。その時間は、忙しい日常の合間にも丁寧に生きることの贅沢さを思い出させてくれます。ハンガーは、心と暮らしを整えてくれる大切な存在だと知りました。

NAKATA HANGER 東京ショールーム

〒107-0062 東京都港区南青山1-1-1
新青山ビル西館 1F
Tel. 03-6423-1222
営業時間: 10:00〜18:00
定休日: 日曜日・祝日

セゾン・アメリカン・エキスプレス®・カードが
ご利用いただけます。
https://www.nakatahanger.com

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