佳き日に訪れたくなる宿
箱根・強羅 佳ら久
佳き日に訪れたくなる宿
箱根・強羅 佳ら久

箱根登山鉄道の開通によって発展した強羅。首都圏屈指の温泉場に新しく誕生した宿、「佳ら久(からく)」。ホテルライクな最新の設備に加え、癒しときめ細やかなおもてなしが共存するこの宿は、一年の疲れを癒やすのにぴったり。のんびりと名湯に浸かり、心づくしの料理で旬を味わい、心ゆくまでゆったりと寛ぐ。慌ただしくなるこの季節だからこそ、ちょっと羽を伸ばしに出掛けませんか。

都心からほどよい距離

箱根火山による豊富な湯量を誇る箱根温泉。その歴史は、釈浄定坊(しゃくじょうじょうぼう)というお坊さんが「惣湯(そうゆ)」という温泉を見つけたことからはじまります。小田原征伐の際には豊臣秀吉が兵士の鋭気を養うために温泉を活用したと伝えられ、江戸時代には東海道屈指の温泉郷として栄えました。当初は「箱根七湯(はこねしちとう)」と呼ばれていましたが、小涌谷温泉や強羅温泉など新しい源泉が加わり、その数は現在20種類ともいわれています。都心から車でおよそ1時間、電車で2時間ほどの距離にあり、近隣には芦ノ湖や個性的な美術館も多く、東京から近いリゾートのひとつとして人気です。

強羅に生まれた新しい景色

箱根にはさまざまな人気スポットがあり、それぞれ賑わいを見せていますが、登山鉄道が開通した大正時代に、当時の政財界や文化人から好まれた地域が「強羅(ごうら)」。現在でもゆったりと敷地を構えるホテルや旅館が点在し、ひときわ閑静なエリアです。そんな強羅の高台に誕生したのが「箱根・強羅 佳ら久(からく)」。箱根通の方でも「まだこんなロケーションが残されていたのか」と驚くような絶景が特徴です。統括総支配人の藤井 育郎(ふじい なるお)さんによれば「この景色には箱根町の町長さんも驚いていた」とのこと。希有な立地を最大限に活かした低層の外観が上品な印象を与えています。

旅慣れた人ほど癒される空間

7,200㎡を誇る敷地には、本館と別館、東西に分かれた客室棟が高低差を活かしてレイアウトされています。四季の移ろいを感じさせる「水のテラス」と「森のテラス」がそれぞれの建物に余白を与えるように巧みに配置され、全体的に落ち着きのある佇まいが印象的です。建築デザインは公共施設の設計やラグジュアリーホテルの改修なども手掛ける「入江三宅設計事務所」によるもの。本館と客室棟はアプローチの地下で繋がっており、入り組んだ導線が空間に奥行きをもたらしています。フロアと建物の位置関係を一度覚えてしまえば、旅慣れたゲストにこの上ないプライベート感を与えてくれるのです。「到着されたらゲスト専用のラウンジ“間(あわい)”でお寛ぎください」とは、藤井支配人。つかの間の休息に期待が高まります。

湯と景色を堪能する

箱根の山並みを望む70室の客室では、和モダンの内装に最新の設備が調和しています。窓の外には雄大な自然が広がり、バルコニーからの眺めはまさに絶景。すべての客室に露天風呂が備え付けられており、温泉に浸かりながら夕焼けに染まる景色をぼんやりと眺めていたくなります。本館の最上階にもふたつの大浴場があり、時間によって男湯と女湯が入れ替わるため、それぞれの景色を楽しむことができます。さらに、別館の1階には3種類の貸し切り風呂も用意され、家族連れの方やスパと合わせて利用するゲストにぴったり。強羅温泉の引き湯を加温した湯質はさらりとしていて、いつまでも浸かっていたくなる心地良さです。好みや時間帯に合わせて極上の湯浴みを堪能できます。

箱根のテロワール

強羅の湯と箱根の自然を堪能したら、いざダイニングへ。佳ら久にはふたつのダイニングがあり、グリルレストランの「十邑(とむら)」は、近隣の宿泊客からも問い合わせが入るほど注目を集めています。メインダイニングの「六つ喜(むつき)」は、和食をベースにしながらメイン料理をプリフィックスにするなど、自由度の高いコース仕立てが特徴です。料理長の立石 真平(たていし しんぺい)さんにお話を伺いました。

「箱根は身近な観光地でありながら、意外に“これ”という特産品がないんです。そのかわり、駿河湾からも相模湾からも新鮮な海の幸が届き、箱根西麓(せいろく)三島野菜、山梨や静岡の豊富な食材にも恵まれた場所です。足柄の相州牛(そうしゅうぎゅう)や伊豆の天城軍鶏(あまぎしゃも)など、意欲的な生産者から届く素晴らしい食材こそが箱根という土地の味だと思っています」

五感以上を満たす「真・行・草」

「六つ喜(むつき)」とは“六つの喜び”という意味で、味や食感などの五感に加え、感性や心まで心地よく刺激する食の体験を目指しています。コースの内容は毎月変わり、素材の旬はもちろん、料理に合わせた器、プリフィックスのメイン料理が一遍の物語のように紡がれていきます。メインは「真・行・草」で構成され、王道の日本料理を「真」、少し洋風のアレンジを加えたものを「行」、和洋のエッセンスと融合した一皿を「草」としています。純然たる日本料理でありながら、これほど複雑な味わいを楽しめるのは立石さんの食材に対する深い理解があればこそ。「休みの日に生産者のもとへ訪れるのが楽しみ」と話す通り、素材の魅力を引き出す技は実に多彩です。

佳き日に訪れたくなる宿

佳ら久とは「佳(よ)き日が、久しく続くように」という願いが込められた独自の言葉です。「佳き日というのは特別なハレの記念日などももちろんですが、夫婦がお互いを労う日であったり、家族が健康に仲良く過ごせる日々であったり、日常を慈しむような気持ちを表しています。私たちはゲストがストレスを感じることなく、穏やかに寛いで頂けるように心掛けております」と藤井さん。大過なく過ごせる日々に感謝しながら、つかの間の休息で鋭気を養う。箱根での過ごし方に、またひとつ新しい魅力が増えました。

箱根・強羅 佳ら久

〒250-0408 神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300-8
Tel.0460-83-8860(宿泊予約・問い合わせ9:00~18:00)
セゾン・アメリカン・エキスプレス®・カードがご利用いただけます。
https://www.gora-karaku.jp

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