創業70年のインナーメーカーが作るカップ付ウェア NICENICE MOMENT インナーとウェアの新しいあり方

“ストレスフリーな着心地で身体と心をポジティブに”をテーマに、カップ付ウェアを展開する「NICENICE MOMENT（ナイスナイスモーメント）」。きちんとしているのに心地良く、環境にも気持ちの良い選択ができるとあって、いまの気分にちょうど良いアイテムがラインアップするブランドです。創業70年を超えるインナーメーカーが提案する、インナーとウェアの新しいあり方をご紹介します。

お出かけできるカップ付ウェア

NICENICE MOMENTは、2021年4月にデビューしたウィメンズウェアブランド。同年8月に新宿ルミネ2内にオープンした旗艦店には、ブランドカラーのグリーンを基調にした明るいカラーリングのアイテムが並びます。主軸アイテムはブラジャーの要らないカップ付ニットウェア。「コロナ禍にデビューしたこともあり、ワンマイルウェア、２マイルウェアとしてもご注目いただきましたが、オフィスやお出かけ、ちょっとしたパーティーにも着ていただけるようなカップ付ウェアをご提案したいと思っています」と話すのは、広報を担当する新井慈子（あらいなりこ）さん。

解放感ときちんと感の両立

めざしたのは自宅で過ごすような解放感。リラクシーな着心地の一方でアメリカンスリーブのアンサンブルやドレッシーなワンピースなど、外出着としてのデザイン性も兼ね備えているのが特徴です。ブラジャーを着けずにさらりとお出かけできるとあって、女性のさまざまな事情やニーズに応えています。旅先の一着、ジムやスポーツ後の着替え、着脱が楽なこともあり授乳中のママさんからも人気だといいます。「私自身もそうですが、自宅で過ごす日や子どもといる時も、毎日諦めずにきちんとしていたい。カップ付ウェアはそういう気持ちを応援してくれるアイテムですね」。自宅で手洗いでき、毛玉になりにくい素材を選んでいるのも嬉しいポイントです。

インナーとしてもウェアとしても

年々人気が高まるカップ付ウェアではありますが、ズレ、ムレ、ボディラインの崩れなどを懸念して敬遠する女性も少なくなくありません。そこでNICENICE MOMENTでは、モールドカップが一体化したパワーネットを背中までぐるりと取り付けました。このパワーネットが胸まわり全体をホールドしてくれるので、上下左右の大きな動作に対してもズレが生じません。カップ部分には柔らかく通気性の良い不織布を使用。アウターとカップの縫製をミリ単位で調整し、ウェアとしてのフォルムとインナーとしての機能を両立しています。

今やバストは女性のシンボルではない

NICENICE MOMENTはかつて女性下着に求められていた概念を取り払い、着る人のための下着を提案します。「グラマーなバストを小さく見せたい、ボディラインを隠した服装を好むなど、バストが女性のシンボルであった時代ではなくなったと感じています」と話すのは、ブランドを展開する株式会社MIC（エムアイシー）の代表取締役神崎淳志（かんざきあつし）さん。株式会社MICはOEM、ODMを中心とした創業70年を超えるインナーメーカーで、1枚の生地をプレス加工して作る「モールドカップ」のパイオニアでもあります。欧米向けのファンデーションメーカーから始まり、時代とともに移り変わるインナーへのニーズをノウハウと技術で形にしてきました。

カップ付だからこそ叶うデザイン

カップ付ウェアとしての利点を最大限に生かすため、肩が見えるデザインやワンショルダーといった、本来ならばインナーに悩むようなデザインをあえて取り入れているのもユニークです。「デザイン性を重視しているため、アウターは外部のデザイナー兼ディレクターに依頼しています。まずはアウターが先に出来上がり、そこに合わせるかたちで下着部分を縫製していきます。試行錯誤するものもありますが、インナーメーカーである私たちだから可能なデザインだと自負しています」とは開発を担当する羽坂剛（はさかつよし）さん。「自分で着けられないのが悔しいくらいですよ（笑）」と話すほど、着け心地には一切の妥協を許しません。

気持ちの良い選択肢として

また、環境に対するブランドの姿勢にも好感が持てます。「リサイクルコットンをはじめ、バイオマスのハンガーやFSC認証の再生紙バッグを使うなど、パフォーマンスが同じであれば、環境に負荷の少ないものを選んでいきたいと思っています」と前出の新井さん。
実際に着用してみると適度なホールド感が心地よく、下着を着けていないにもかかわらず不思議と背筋が伸びる気がします。リラックスできるけどだらしなくない。ちゃんとして見えるのに、堅苦しくない。NICENICE MOMENTは、女性にとって “気持ちのいい選択肢”になりそうです。