「自然との共生」をテーマにしたカルチャーリゾート
art biotop
坂 茂さん設計のスイートヴィラとレストラン「μ(ミュー)」がグランドオープン
「自然との共生」をテーマにしたカルチャーリゾート
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坂 茂さん設計のスイートヴィラとレストラン「μ(ミュー)」がグランドオープン
サーバーメンテナンスのため、2021年10月27日(水)AM5:00〜8:00の間
PT MAGAZINEはご覧いただけません。ご了承ください。

皇室の御用邸があるため、観光地でありながら、栃木県・那須には温泉観光地特有の猥雑さはほとんど感じられない。とりわけ、メインストリートから横道に入った那須高原山麓・横沢エリアは、深々とした森に清流の流れる豊かな自然の地。この美しい渓流と手つかずの大きな自然との出合いが、プロデユーサーで二期倶楽部創業者の北山ひとみさんの心を動かしたという。

伝説のリゾート「二期倶楽部」

二期倶楽部は1986年から2018年まで、30年以上にわたって多くのファンを魅了してきた、今や伝説のブティック型リゾート。わずか6室からスタートして、のちに14室のヴィラを増設、当時としてはめずらしかったスパ併設のオーヴェルジュといった趣があった。「山のシューレ(Schule、ドイツ語で学校)」などのアートフェスタが好評で、予約の取りにくいリゾートとして知られた。故あって二期倶楽部は閉館したが、北山ひとみさんは2006年に二期倶楽部創業20周年記念事業として開設したアートビオトープ(art biotop)を拠点に、精力的にプロデュース活動を続けている。

知性あふれるたたずまい

Biotopはbios(生物)とtopos(場所)を組み合わせたギリシャ語の造語とか。アートビオトープは、いわばアートの生息域ということになる。エリア内には陶芸スタジオやガラススタジオがあり、創作活動にいそしめるようにレジデンス棟やギャラリーカフェもある。2018年には、石上純也さんの設計で「水庭」も完成、デンマークのオベルアワードなど多くの賞を受賞し、一躍、脚光を浴びている。318本の木々は、どこからも重なって見えないようにコンピュータで緻密に計算され、スイートヴィラの建設用地から4年がかりで移植されたという。さらに、160個のビオトープ(池)の水は渓流から自然に流れ込み、すべての池を通ってゆっくり元の渓流へ還っていく仕組みで、滞留することはない。築山に登ってじっと水庭を眺めていると、人の手でつくられていながら、天地創造の時代からずっとここにあったのではないかと錯覚する。

設計は坂 茂さん

そこに2020年10月2日、スイートヴィラ14棟と、レストラン「μ(ミュー)」を含むレセプション棟がグランドオープンした。設計は坂 茂(ばん しげる)さん。阪神・淡路大震災での紙の仮設住宅や紙管の教会、東日本大震災での女川町の3階建てコンテナ仮設住宅など、災害時の住環境に大きな関心を寄せている。「坂さんの社会性、建築家としての社会貢献性、被災者への温かなまなざしに共感しました」と北山ひとみさん。坂 茂さんは、東京・パリ・ニューヨークに事務所を置き、世界各地のクライアントと仕事をする世界的な建築家。2011年にはフランス芸術文化勲章、2014年には「建築界のノーベル賞」といわれるプリツカー賞を受賞している。しかし、北山ひとみさんにとってはそうした名声よりも、坂さんの「木の温もりの感じられる造形美」に大きな関心があったという。

自然と一体化する野天風呂

スイートヴィラは、昼と夜で表情を一変させる。昼間は石垣と格子状の木組みの構造壁、低く構えた屋根が重厚な印象を与える。ちなみに、石材は敷地内から掘りだされた石をはじめ近隣の石材を使用、木材は国内各地から取り寄せた国産材で、ほとんどが地元産だという。その、むしろ地味といってもいいくらいのスイートヴィラが、夕刻になると光を放ち、さながら有機体でもあるかのように暗闇に浮いて見える。渓流沿いのヴィラは斜面を生かした片流れ屋根の構造で、内部はベッドルームがメザニン(中2階)に位置し、階段を数段降りただけでリビングスペースと一体化する。その先には、深い庇(ひさし)に守られて、奥行き3mの広々とした木組みのテラスが広がる。テラス脇の浴室の網代編みの大きな扉を開け放つとたちまち露天風呂に一変、目の前の渓流とともに、文字どおり「自然に浸る」感じとなる。京都の寝具メーカー、イワタの特製ベッドとともに、この露天風呂はいつまでも記憶に残る。

木の建築美が際立つレストラン「μ(ミュー)」

アートビオトープは、リゾートとしてはかなり風変わりだ。これほど多くの本棚と書籍を備えたリゾートは見たことがない。ラウンジの書棚には文庫本や新書版の書籍がビッシリ棚を埋め、客室の「燦架(さんか)」と名付けられた棚には、興味をそそる書籍がさりげなく置かれている。リゾート全体に書籍への敬意と信頼があふれている。その底流には知的好奇心が流れている。さらに、リビングには黒漆塗りの小さな茶箱が用意され、中には茶道具一式が納められていて抹茶を楽しめる。コーヒーは、ブラジル産の最高級の豆を自分で挽いていれるという凝りよう。北山ひとみさんから経営を引き継いだ、長女で株式会社ニキシモ社長の北山美優さんは「滞在している時間そのものを楽しんでほしい」という。その意図を最もよく表しているのは、レストラン「μ(ミュー)」ではないだろうか。

地元の素材をフレンチで

レストラン「μ」に1歩、足を踏み入れただけで、木の持つ存在感と美しさに圧倒される。しかも、床から天井まで、フルハイトのパノラマウインドウは開放感にあふれ、細いサッシだけで支えられているように見える構造によって軽快感をも生み出している。重厚にして軽快、驚きをとおり越して、そのダイナミックな構想力に感動させられる。料理を待つ間も、食事を楽しむ間も、建築美を存分に堪能した。もちろん、地元の食材(25マイルフード、40km圏内)を生かしたフレンチは「おおらかな卓上の祝祭」だった。若きシェフ千葉拓海さんは27歳。「まだ着任して日も浅いので、休みの日には優れた食材を探しに、地元の農家さんを訪ねています」と意欲満々だ。「ゆめポークのリエット」「烏賊と蓮根」「鮑」「蝦夷鹿」……日本の食材による新たなフレンチの誕生を予感させる。

アートの楽しみを広げる宿

アートビオトープは、ごく自然に学びを楽しむ文化リゾートのような趣がある。「ディズニーワールドは限りなくMIT(マサチューセッツ工科大学)をめざし、 MITは限りなくディズニーワールドをめざしている」そうだが、楽しく学ぶEdu-tainment という言葉は、アートビオトープのためにあるかのような造語だ。陶芸スタジオのインストラクター、大内惟裟(あいさ)さんから土いじりのおもしろさを学び、ガラススタジオの工藤秀晃(ひであき)さんからは、ガラスの不思議を教えていただいた。保護犬フーガがうたた寝するそばで、薪ストーブの鉄瓶が小さな湯気を立てていた。このまったりとした時間、潤いを含んだ森の澄みきった空気、アートビオトープのしっとりとした雰囲気に気持ちが癒やされる。

「私たちの仕事に終わりはない」

経営を引き継いだ北山実優さんに、東京・千鳥ヶ淵の本社でお話をうかがった。

PT:この時期の経営引き継ぎは大変だったのではないですか。
実優:長年、母のそばで実務をこなしてきましたので、これは自然の成り行きと覚悟はしていました。
PT:「水庭」をはじめ、スイートヴィラやレストラン「μ」など、お母様が舞台を整えて、実優さんが運営するわけですが、まだ足りないものはありますか。
実優:スパの施設ですね。ニキシモというのは、二期倶楽部時代のスパのブランドで、ファンが多く、そのまま会社名として使用しています。現在もスパのスタッフはいますので、予約制でトリートメントを受けられるようにしていますが、その延長に新しいスパ施設は必要と考えています。
PT:それで完成ということですか。
実優:新しいかたちを模索しています。長い温泉文化の歴史を持つ那須は土壌も豊かで、野菜などを栽培するのにも適しています。これからは農園づくりにも力を入れていきたいと考えています。
PT:今の時代、採算を考えるのは大変でしょうね。
実優:母もそうですが、私たちはいわゆるホテル経営を学んだことがありません。私たちは常に、この場所で何ができるか、何をすべきか、私たちの想定しているお客様は何を望んでいるのか、スタッフみんなで本質的なことを追求しながら一つひとつのアクション、ホスピタリティについて深めていきたいと思っています。その結果、共感していただけるお客様に訪れていただき、共にこの場を創っていけたらと願っています。
PT:マニュアルもないそうですね。
実優:はい、マニュアルはありません。ニキシモにはブランドルールブックを通じて過去を学び、未来について考え続ける風土があるだけです。例えば現在の朝食はコロナ対策でお部屋までお運びしていますが、どうしたら熱々のクラムチャウダーを提供できるか、そんなことで頭がいっぱいです。ホテルオペレーションも固定化しないで考えていますから。
PT:鉄鍋を厚い布でくるんでご用意いただいたクラムチャウダーは充分、熱かったですが……
実優:いえ、まだまだです。私たちの仕事にこれで終わりということはないのです。
PT:ありがとうございました。

ご優待

夕食事にウェルカムドリンク(ワインまたはソフトドリンク)を1杯サービス。

[対象条件]
ご予約の際に、PTマガジンを見たとお伝えのうえ、対象カードで支払いするとお伝えください。
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[対象期間]
2021年6月30日(水)まで

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art biotop(アートビオトープ)

〒325-0303 栃木県那須郡那須町高久乙道上2294-3
VILLA:0287-74-3300
RESIDENCE:0287-78-2013
ご予約:0287-78-7833

宿泊費:1泊2食付きプラン、スイートヴィラツイン(テラス付き) 58,080円〜(大人1名料金、参考価格、サービス料、消費税込)ほか
https://www.artbiotop.jp